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WOC Nursing 21年12月号  SOLD OUT
A4変型判
2022年3月発行
定価2,640円(本体2,400円+税10%)
ISBNコード:978-4-287-73097-3
全ページカラー印刷
特集褥瘡・拘縮予防のために知っておきたいポジショニングの正しい知識と技術
企画編集/下元佳子(一般社団法人 ナチュラルハートフルケアネットワーク 代表理事,理学療法士)
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 褥瘡や拘縮予防のために姿勢管理が必要であることの理解は,それを専門とする方々だけでなく,現場において広くあたりまえになってきていることを感じています。WOCが存在する病院や事業所では,すべてにおいてポジショニングの必要性は理解され実践しているといっても過言ではないと思います。しかし必要性を理解していることと,実施があたりまえにできていることは異なりますし,対象者を褥瘡や拘縮から守るためには,実践しているだけでなく成果を出す必要があります。「きちんと実践しない人がいる」「ポジショニングしているが拘縮は悪化している人が多い」「難しい」「用具が不足している」そんな声を耳にします。必要性も理解しているし,研修もしている,ケースに合わせてアセスメントしポジショニングのプランも立案してスタッフに伝えている。ではなぜ思うような成果が出ないのでしょうか。
 今回は,ポジショニングの基礎から,チーム・組織・地域づくりまで,成果の出せる取り組みを実践できることを目標に構成を考えました。成果を出せる実践のために必要なことは,職員の基礎教育,リーダーのプランニングの考え方,組織の体制づくりです。そのため,企画として【基礎知識】【24時間トータルケアとしての姿勢管理】【組織の体制づくり】とテーマを3つに分けて考え,さらに現場で実践するための参考に実践報告を組み込みました。
 【基礎知識】としては,まず,身体を支える・動きを出すことを考える姿勢管理を実践するための身体の仕組みから,身体への触れ方や重さを受けるためのクッションの使い方,そしてベッド上でのポジショニングやシーティングの基本の手法について。【24時間トータルケアとしての姿勢管理】では,手法だけを学び,対象者の生活の一場面を切り取り対応するのではなく,課題に対して姿勢や動作を24時間においてトータルケアとして考えることの必要性を。【組織の体制づくり】としては,成果を出すために教育やリスクマネジメントなどの手法の解説。方法論だけを伝達するのではなく,基礎的な内容をチーム全体に教育として落とし込み,組織の体制を整え実践することで成果は上がることを。さらに,地域での取り組み,そして福祉用具の選び方の解説も含み構成しました。
 それぞれの現場で対象者のためによりよいケアの普及に努力されているメンバーに,この特集への執筆をお願いしました。忙しい現場でポジショニングを実践されている皆さまにとって,その実践が成果の上がるものになるために少しでもお役に立てる特集となることを願い,ワンチームで意見交換をしながらまとめあげました。対象者のための褥瘡・拘縮予防の成果が上がることを願っています。

下元佳子
一般社団法人 ナチュラルハートフルケアネットワーク 代表理事,理学療法士
1. 褥瘡予防のための姿勢管理に必要な基礎知識〜身体の仕組み:重さを受ける場所と動きを出す場所〜/安武哲宏
2. ベッド上でのポジショニングの実際/田中久美子
3. シーティングの実際/福島寿道
4. 24時間の姿勢管理/杉本昌子
5. 組織の体制づくり/眞藤英恵
6. 実践①褥瘡予防のための姿勢管理の実践〜病院から施設・在宅まで法人での取り組み〜/加賀野井博美
7. 実践②褥瘡予防のための姿勢管理の実践〜大学病院での取り組み〜/藤井香織
8. 姿勢管理と動作のサポートのトータルケアの実践/小松雅代,北村貴裕,松本明子
9. 組織から地域における実践/古謝早苗
10. 褥瘡予防のためのポジショニング実践のために知っておきたい福祉用具/正木健一