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患者さんとの接し方 |
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星野達夫 著 |
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四六判/192頁/本文2色刷
価格:本体3,200円+税
ISBNコード:978-4-287-11107-9 |
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患者さんには不満・不安・苦情がいっぱい! この診療のどこがいけないの? どうすればよかったの?
患者さんを笑顔に変える よい医師患者関係を築くコツ 教えます!
正しく診断・治療しても、患者さんはなぜか不満顔。あなたにはそんな経験、ありませんか? 自分ではよい診療をしたつもりなのに、患者さんの安心・満足につながらないのは、“患者さんとの接し方”にきっと問題があるからなのです--。
【本書の特徴】
◎実際にあったCASEと、その解説の2部構成
◎対応の問題点と改善点を明快に解説
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【はじめに】星野達夫
私の年齢のせいか、ときどき患者さんから若い先生の診療内容に関する苦情をいただきます。調べてみるとたいていの場合、診療内容には問題がなく、充分な専門知識を身につけた優秀な医師であることが多いのです。
ではどうして苦情がくるのでしょうか?
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それは患者さんとの接し方にどうも問題があるからのようです。せっかくよい診療をしているのに、ちょっとした行き違いからトラブルになってしまうのはもったいない。本書では医師は患者さんとどのように接したらいいかを検討していきます。
多忙な日常の診療の合い間にふっと一息つく、そんなときに本書をお読みください。お読みになって皆様の診療に少しでも役立つことがあれば、私の幸せとするところです。
最後に、本書を出版する機会を与えてくださいました株式会社医学出版 村越勝弘編集長、終始的確な指摘をしていただきました月岡春奈様、すてきなイラストを描いてくださいましたイラストレーターはじめ編集部の皆様に、こころから御礼申し上げます。
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【推薦のことば】永井友二郎(実地医家のための会 創立者、日本プライマリ・ケア連合学会 名誉会員)
もともと病人のわずらいは、そのひと固有の歴史と文化に深く結びついたもので、その人生観とつよくかかわっています。病人が何に困り、何を求めるかは、一人ひとり、その内容がちがうのが普通です。そしてそのちがいはそれぞれの病人にとって大きい意味があります。
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そしてこの千差万別の病人のわずらいを医師に伝え、医師の側からもその対応を病人に伝達するものは、医師と患者との対話以外の何ものでもありません。
この意味から、医療はことばではじまり、ことばで終わるといってよく、近代医学がいかに進歩し、医療機器の開発がどれだけ進んでも、医師や医療提供者が病人の求めている事柄、どうしてほしいかをよく理解できなくては、医療は的はずれとなり、病人を苦しませ、あるいは悲しませることになります。このように、医療はもともと、病人あってのもの、病人の人間理解なくしてはならないものでありました。
これに対し、わが国のこれまでの大学の医学教育は、科学としての医学を教え、これを応用すれば病気はよくなるとだけ教えてきました。そのため、われわれ医師は病人との対話に関心をもたず、病人の生活や考え方について多く知らないまま診療してきました。
この状況のなか、私たちは病人中心の人間の医学を目指し、昭和38年、「実地医家のための会」をつくり、「ことば」を基本の方法論とする総合医療、プライマリ・ケアの研鑽をはじめ、50年を過ぎました。
そしてこの「実地医家のための会」を母体とした、会員数7千を超す「日本プライマリ・ケア連合学会」ができ、この学会は日本医学会のなかで新参ながら、全学会の柱を担うものと期待されています。
また厚生労働省も、この総合医を目指すプライマリ・ケアの活動を、わが国医学教育、医療行政の柱ととらえはじめています。
本書、『患者さんとの接し方』の著者、星野達夫先生は、大学病院、都立病院などの内科の深い研鑽から、このたびたいへんな名著をおつくりになりました。
本書をご覧いただくとわかりますが、本書は一貫して患者さんへの深い思いやりの心でつらぬかれています。「患者さんの話をよく聞こう」からはじまり、「共感を込めた口調で話そう」、「患者さんの身になって打つ手を考える」などの項目がつづきます。
そしてそのそれぞれの項に、具体的症例をあげて説明されており、内科臨床の手引きでもあり、がん患者については「わたしのがん告知事始」ほか5項目で、ていねいな説明をされています。
本書は冒頭で述べたような、わが国医学界の大きな転換期、医療の人間復活の時期に、まことにタイムリーに完成されました。医療の原点は「ことば」にあります。私たちが「実地医家のための会」を発足させた50年前、私たちもカウンセリングの手法により、「ことば」の学習をつづけ、これを基本の方法論としてきました。
わが国のこれからの医療が、病人中心の人間性を一層重視していく上で、本書が大きく貢献することを信じ、推薦のことばとします。
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目次 はじめに
推薦のことば
第1章 患者さんの話をよく聞こう(1)よく聞けば患者さんの望みがわかる
第2章 患者さんの話をよく聞こう(2)医師によく話を聞いてもらうと患者さんは満足する
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第3章 患者さんの話をよく聞こう(3)よい医師患者関係を築くコツ
第4章 話の聞き方の基本 確かに聞いたと伝える、話しやすい雰囲気を作る
第5章 患者さんへの話し方を工夫しよう(1)患者説明は順序よく、丁寧に
第6章 患者さんへの話し方を工夫しよう(2)患者さんの希望に応えて話をする
第7章 患者さんへの話し方を工夫しよう(3)専門用語は伝わらない
第8章 患者さんへの話し方を工夫しよう(4)共感を込めた口調で話そう
第9章 患者さんへの話し方を工夫しよう(5)患者さんの事情を理解する
第10章 患者さんへの話し方を工夫しよう(6)患者さんの気持ちを察する感性を磨こう
第11章 患者さんへの話し方を工夫しよう(7)検査リスクの説明では患者さんへの共感が大切
第12章 患者さんへの話し方を工夫しよう(8)リスク説明での心の持ち方「キレてはいけない」
第13章 患者さんへの話し方を工夫しよう(9)QOLへの影響を話す
第14章 患者さんへの話し方を工夫しよう(10)スペシャリストであると同時にプライマリケア医であれ
第15章 患者さんへの話し方を工夫しよう(11)闘病する人を励ますことの大切さと難しさ
第16章 患者さんへの話し方を工夫しよう(12)患者さんに、自分自身を重要な存在だと感じさせる
第17章 患者さんへの話し方を工夫しよう(13)患者さんの不安を取り除くことを最優先に
第18章 患者さんへの話し方を工夫しよう(14)先入観に注意
第19章 患者さんへの話し方を工夫しよう(15)患者さんの身になって打つ手を考える
第20章 “To know all is to forgive all”
第21章 患者さんを理解することがよい患者説明の第一歩
第22章 患者さんへの呼びかけは礼節を忘れずに
第23章 がん病名の伝達(1)がん病名の伝達はなぜ難しいか
第24章 がん病名の伝達(2)前準備と共感が大切
第25章 がん病名の伝達(3)がん告知にはコミュニケーションセンスが必要
第26章 がん病名の伝達(4)告知を受けたがん患者さんからの質問‐患者さんの話をよく聞こう
第27章 がん病名の伝達(5)わたしのがん告知事始‐ある進行がん患者さんとの出会い
第28章 がん病名の伝達(6)がん病名伝達の実際‐生検の結果が「がん」だった一例
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