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月刊レジデント14年1月号
レジデント11月号
16年10月11日発売
AB判136頁
価格:本体¥2,000+税
ISBNコード:978-4-287-81104-7
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特集薬物相互作用を知り診断治療に活かす〜くすりの知識と処方〜
企画編集/藤村昭夫
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目次[PDF 特集[PDF 連載[PDF 連載[PDF
 近年,非常に多くの薬物が臨床の場で用いられるようになり,さらに高齢者の増加とともに多剤併用療法が一般化したために,処方の際に戸惑いを感じる医師も多い.とくに,研修中の医師が薬物療法に関する医療ミスを起こし,その結果,重篤な薬物有害反応をもたらす危険性が大きいことがこれまでの調査研究によって明らかにされている.したがって,卒前のみならず卒後の臨床研修中においても,医師は薬物の適正使用の実践にむけて,なお一層,薬物療法に関する知識を習得することが求められている.
 最近,薬物有害反応の誘因の1つとして薬物相互作用の存在がクローズアップされるようになり,新しい薬物を開発する際には,より安全な薬物療法を実施するために,薬物相互作用の有無を明らかにする努力がなされている.しかし,依然として薬物相互作用にもとづくと思われる薬物有害反応が後を絶たず,安全な薬物療法を実施するためになんらかの方策を講じることが求められている.本特集号は,このような要望に応えるために企画されたものである.本特集号の第?章では,薬物相互作用を理解するために必要となる基礎知識を解説した.1つの症例から学んだ知識をみずからが担当する患者に応用するために,ぜひ,学んでいただきたい.第?章では,11の疾患を対象にして薬物相互作用の実際例を取り上げた.それぞれについて症例を紹介するとともに,薬物相互作用の発現機序および処方時に注意すべき事項を解説した.さらに第?章では,付録として薬物相互作用に関する情報の入手方法および読み方について解説を加えた.
 近年,多剤併用療法が一般的に行われている.併用する薬物の数とともに有害反応の出現頻度は指数関数的に増加することが知られているが,これら多剤併用時の有害反応のうち約7%は薬物相互作用に起因するものとされており,決してまれなものではない.したがって,薬物を適正に使用するためには,薬物相互作用の存在を常に念頭に置く必要があることはいうまでもない.薬物による有害反応がしばしばテレビや新聞などで報道され,ときには社会問題化することがある.たとえば,抗ウイルス薬であるソリブジンと5−フルオロウラシル系抗がん薬を併用すると,5−フルオロウラシル系抗がん薬の血中濃度が著しく上昇し,その結果,有害反応が出現して,多くの患者が亡くなったことは記憶に新しい.
 本特集号が臨床の場で活用され,薬物の適正使用の推進に役立てば幸いである.
藤村昭夫
(自治医科大学 臨床薬理学教授)
特集薬物相互作用を知り診断治療に活かす〜くすりの知識と処方〜
Ⅰ. 薬物相互作用の基礎知識/寺島花野・前田和哉・楠原洋之
Ⅱ. 薬物相互作用の実際
1. 高血圧/藤村昭夫
2. 糖尿病/安藤 仁
3. 脂質異常症/原田和博
4. 虚血性心疾患/長谷川純一
5. 心不全/相澤健一
6. 不整脈/志賀 剛
7. 慢性閉塞性肺疾患(COPD)/齊藤順平
8. 関節リウマチ(RA)/林 秀樹
9. 悪性腫瘍/前田章光
10. 感染症/山口 諒・山本武人・高田龍平・鈴木洋史
11. うつ病/牛島健太郎
付録:薬物相互作用の情報入手法と読み方 牛島健太郎



連載
◆ヨルレジ……編集/森 信好
 ・第2回 尿量低下……石井太祐
◆患者さんとの接し方
 ・第99話 Teach to be well−どの情報をどのように伝えるか……星野達夫
◆慶應循環器内科カンファレンス………監修/福田恵一
 ・第59回 大動脈弁狭窄症合併閉塞性肥大型心筋症の一例……村田光繁
◆循環器内科 目からウロコ Q&A
 ・第8回 条件付きMRI対応ペースメーカ……田宮栄治・村川裕二