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月刊糖尿病 10年5月号
月刊糖尿病5月号 SOLD OUT

2010年4月20日発売
A4変型判/128頁
価格:本体2,500円+税
ISBNコード:978-4-287-82012-4
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特集インスリン治療Up to Date
編集企画/加来浩平
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目次 特集 特集 特集
 現在,日本におけるインスリン療法の年間のべ患者数は150万人を下らないと思われる.インスリンの臨床応用は製剤とデバイスの開発の歴史とともに進歩を遂げてきた.遺伝子組み換え技術がもたらしたインスリン製剤の登場によって,対象患者の広がりとともに,自己注射法の導入が普遍的に行われるようになった.インスリンは昏睡など急性合併症を激減させたものの,近年は慢性合併症の発症が問題となったが,強化インスリン療法による厳格な血糖コントロールが,細小血管合併症リスクの減少をもたらすことは明らかである.一方で最近のACCORDスタディなどは,血糖正常化を目指した強化療法群で高頻度にインスリン療法が導入されたが,重篤な低血糖が関連すると思われる死亡リスクの増大が問題となった.この結果の解釈はまちまちであろうが,少なくともインスリンの立場に立てば,手遅れになった血糖管理の尻拭い役をさせられた結果であって,もっと有益な使い方がなされるべきとの思いがあろう.
 超速効型,持効型あるいは2相性ヒトインスリンアナログ製剤の普及に加えて,経口血糖降下薬との併用療法など,インスリン療法はこの数年間で大きく様変わりしつつある.さらにインクレチン関連薬の登場もあり,糖尿病薬物療法そのものが,大きな曲がり角にあるといっても過言ではない.
 本特集により,現行のインスリン療法の現状と問題点を整理することによって,将来に向けた可能性について考察するとともに,これからのインスリン療法の実践に役立てることを願うものである.
加来浩平
(川崎医科大学 内科学(内分泌・糖尿病) 教授)
[特集]インクレチンの臨床 -2型糖尿病の新しい治療-
特集にあたって(加来浩平)
1. インスリン治療と代謝調節(戸邉一之 他)
2. インスリンアナログ製剤の薬理学的特徴と有効性,安全性(粟田卓也)
3. 超速効型インスリン製剤の薬理学的特徴と臨床的有用性(池上博司 他)
4. 超速効型高配合比率の二相性インスリンアナログ製剤の使い方(門脇 孝 他)
5. 1型糖尿病におけるインスリン療法の実際(小林哲郎)
6. 2型糖尿病における強化インスリン療法の早期導入の意義(荒木栄一 他)
7. 2型糖尿病におけるBOTの適応とその限界(綿田裕孝 他)
8. ステップアップによるインスリン導入の活用と有用性(吉岡成人 他)
9. 血管合併症の予防とインスリン療法(石原寿光 他)
10. 妊娠中のインスリン製剤の選択と血糖管理(柳沢慶香)
11. 腎不全,透析中の症例におけるインスリン療法(羽田勝計 他)
12. 周術期,ICU症例のインスリン治療による血糖管理(松木道裕)

[連載]糖尿病に合併する感染症 企画:永淵正法
〈第11回〉ヘリコバクター・キャンピロバクター(藤本秀士 他)