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月刊糖尿病 10年9月号
月刊糖尿病9月号 SOLD OUT

2010年8月20日発売
A4変型判/128頁
価格:本体2,500円+税
ISBNコード:978-4-287-82016-2
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特集食後高血糖 UPDATE
編集企画/田嶼尚子
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目次 特集 特集 特集
 糖尿病の早期発見と診断時からの厳格血糖管理が大変重要であるという認識は,一般に広く浸透している.では,血糖管理の指標としては,なにを用いて,どこに目標値を置けばよいのだろうか.現在,その主役はHbA1cで,目標は6.5 %未満という考えが一般的である.しかし,HbA1c値はあくまでも過去1〜2ヵ月間の血糖値の平均値にすぎない.血管内皮を傷害する食後の急峻性高血糖があったとしても,低血糖の時間帯があれば平均値としてのHbA1c値は低くなる.また,空腹時血糖値のみに焦点を当てた治療では,HbA1c 6.5 %未満に到達しえないことも報告されている.2007年,国際糖尿病連合(IDF)は「食後血糖管理に関するガイドライン」をまとめ,糖尿病の臨床管理における血糖の目標値として,空腹時血糖値100 mg/dl未満,HbA1c値6.5 %未満とともに,食後2時間血糖値を140 mg/dl未満とすることを推奨している.2009年の米国糖尿病協会(ADA)によるガイドラインでは,食後血糖の頂値180 mg/dl未満を推奨している.また日本の糖尿病治療ガイドラインでは,食後2時間血糖値140 mg/dl未満を「優」,141〜179 mg/dlを「良」と定めている.
 今までの知見により,食後高血糖を放置することは有害で,それを管理することには多くのメリットがあること,そしてその戦略も示されているが,日常臨床では必ずしも浸透していない.そこで本特集では,食後高血糖に関する最新のトピックスについて,この分野に造詣が深い先生方に執筆をお願いした.読者の皆様方にとって有益な情報となることを願っている.
田嶼尚子
(東京慈恵会医科大学 糖尿病・代謝・内分泌内科 教授)
[特集]食後高血糖 UPDATE
特集にあたって(田嶼尚子)
1. 食後高血糖をめぐって:その意義と糖尿病の診断(葛谷 健)
2. 健常者・糖尿病患者における食後血糖値(長坂昌一郎 他)
3. 食後高血糖による血管内皮細胞障害のメカニズム(錦田裕孝 他)
4. 食後高血糖は心血管疾患のリスク因子:疫学的エビデンス(中神朋子)
5. 食後血糖制御によるメリット:疫学的エビデンス(田嶼尚子 他)
6. 糖尿病の管理における食後高血糖の重要性(武井 泉 他)
7.食後血糖の管理:食事療法(幣 憲一郎)
8. 食後血糖の管理:インスリン以外の血糖降下薬による治療(岩本安彦 他)
9. 食後血糖の管理:インスリンによる治療(吉岡成人 他)
10. CSIIとCGMによる食後高血糖の管理の実際(西村理明)

[巻頭口絵]糖尿病カラーグラフィックス
糖尿病臨床のための頸動脈の画像診断(山崎義光 他)
[連載]糖尿病に合併する感染症 企画:永淵正法
〈第15回〉白癬(高原正和)
[連載]糖尿病検査シリーズ 企画:柏木厚典
〈第10回〉AGEs,sRAGE(山岸昌一)