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月刊糖尿病 11年3月号
月刊糖尿病3月号 SOLD OUT

2011年2月22日発売
A4変型判/144頁
価格:本体2,500円+税
ISBNコード:978-4-287-82022-3
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特集糖尿病と神経障害

企画編集/中村二郎
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目次 特集 特集 連載
 糖尿病性神経障害は,糖尿病合併症のなかでも発症頻度が最も高く,糖尿病発症後早期から高血糖の随伴症状として出現することもあり,非常に多彩な臨床徴候を呈する.進行した神経障害は,患者のQOLを低下させるとともに生命予後をも左右することから,神経障害の発症を予防し,できるかぎり早期に治療することが重要である.しかし,糖尿病性神経障害の病態が複雑で多種多様であること,糖尿病網膜症や腎症のような世界的コンセンサスの得られた診断基準および病期分類がいまだに存在しないことから,より簡便で,外来診療の一環として実施可能な診断基準の確立が望まれているが,日常の診療において最も取っつきがたい糖尿病合併症であるといえる.
 治療に関しては,厳格な血糖コントロールの意義は明らかとなっているものの,いかに厳格なコントロールを試みても糖尿病患者が24 時間にわたって正常な血糖値を維持することは不可能であり,たとえ短時間であっても高血糖に暴露されることによって,高血糖に起因する異常を介して神経障害が発症・進展することになる.そこで,高血糖に起因する複雑に絡み合った発症メカニズムの解明とそれに則った治療法の確立が急務である.しかし,組織学的変化の完成した重症の神経障害に対する治 療効果を厳格な血糖コントロール,および発症メカニズムに則った薬剤に期待することは困難であり,変性した神経あるいは血管をターゲットとした再生医療が必要とされる.さらに,足病変などの糖尿病性神経障害に伴ったさまざまな病態への対応も重要である.
 本特集では,糖尿病性神経障害の疫学に始まり,病理,成因,分類と徴候,診断と病期分類,また再生医療を含めた神経障害に対する治療,さらには足病変あるいは認知機能との関連について,それぞれの分野の第一線でご活躍中の先生方にご執筆いただいた.本特集が糖尿病の日常診療の一助となるとともに,臨床現場のより多くの先生方が糖尿病性神経障害を身近に感じていただき,糖尿病患者のQOL,および生命予後の改善に繋がれば幸いである.
中村二郎
(名古屋大学大学院 医学系研究科 糖尿病・内分泌内科学 准教授)
[特集]糖尿病と神経障害
特集にあたって ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 中村二郎
1. 糖尿病性神経障害の疫学 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ‥ 佐藤 譲
2. 糖尿病性神経障害の病理‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 八木橋操六 他
3. 糖尿病性神経障害の成因:代謝性因子‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 杉本一博
4. 糖尿病性神経障害の成因:血管性因子‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 額田 均
5. 糖尿病性神経障害の分類と徴候 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 馬場正之
6. 糖尿病性神経障害の診断と病期分類 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 安田 斎
7. 糖尿病性神経障害の治療1:血糖コントロール‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥佐々木秀行 他
8. 糖尿病性神経障害の治療2:成因に則った治療‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 神谷英紀 他
9. 脂質異常症と糖尿病腎症‥ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 荒井秀典
10. 糖尿病性神経障害の治療4:再生医療‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥成瀬桂子 他
11. 糖尿病性自律神経障害の治療‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 麻生好正
12. 糖尿病性神経障害と足病変‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 松岡 孝
13. 糖尿病と認知障害‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 櫻井 孝
14. 糖尿病と認知障害‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 伊藤博史
[連載]
◆糖尿病に合併する感染症 :企画 永淵正法
(第19回)性感染症(STD) ‥‥‥‥‥‥ 横山正俊,岩坂 剛