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月刊糖尿病 13年5月号
月刊糖尿病2014年4月号 SOLD OUT

2014年4月1日発売
A4変型判/96頁
価格:本体2,500円+税
ISBNコード:978-4-287-82058-2
全ページカラー印刷

特集●生活習慣病対策から認知症予防を考える

企画編集/大石 充
●月刊糖尿病 2014年3月号についてのお詫びとお知らせ
 「月刊糖尿病」3月号の進行が大幅に遅れたため、3月号は結果的にスキップして4月号(2014年4月1日発売)として発行することになりました。読者の皆様をはじめ編集委員の先生方や関係者の方々にはこの場を借りてお詫び申し上げます。今月号より担当編集者も一新し、2015年までの1年間以上の「特集企画」については既に準備が進んでおります。今後このような進行の遅延のような事態は絶対に避けるべく、編集部一同が一丸となって対応していく所存です。
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 超高齢社会の到来により,認知症はコモンディジーズのひとつとなりつつある.従来より,認知症は脳神経細胞の変性疾患であり,不可逆性・原因不明であるとされてきた.しかしさまざまな疫学研究により,生活習慣病とアルツハイマー型認知症との関連が取りざたされるようになった.高血圧症は脳血管性認知症の最も強力なリスクとなることは周知の事実であるが,アルツハイマー型認知症のリスクともなりうることが報告されている.また,糖尿病は高血糖やコントロール不良がアルツハイマー型認知症のリスクとなるのみならず,低血糖発作が認知症進展のリスクとなるという報告もある.さらに基礎的検討においても,高血圧や糖尿病といった生活習慣病が直接的にアミロイド蓄積や神経細胞変性に影響を与えることが報告されるようになった.
 このような背景から,生活習慣病管理を充実させることで,認知症発症および進展予防が可能になるのではないかと考えられている.また,認知症の中核症状に対する直接的治療薬が次々と市場に出たことで,認知症は「手をこまねいている病気」から「積極的に治療・予防する病気」へと移行しつつある.しかし,重症認知症になってからこのような薬剤介入を行っても,その効果はなかなか実感できない.認知症診療の非常に難しいところは,むしろいかに認知症を見つけ出してすばやく順当な診療に乗せてあげるのかという点である.家族が異変に気付いてはいるものの認知症がかなり進行してから医療機関を受診する例や,そもそも認知機能変化が緩やかであるため,異常行動により社会的生活に支障をきたしてから初めて認知症の存在に気付く例も少なくない.コモンディジーズのひとつとなった認知症の治療・ケアを十分かつ効率的に行うためには,生活習慣病の管理を行っているかかりつけ医の役割がますます重要となってきている.
 本特集では,生活習慣病が認知症へ影響を与える可能性を臨床的・基礎的に検討し,生活習慣病で実際フォローをしている患者からどのように認知症を見つけ出し,どのようにフォローをしていけばいいかコツを明らかにしたい.また,かかりつけ医1 人が対応できる範囲はきわめて狭く,専門医との連携が不可欠である.専門医紹介のタイミングや病診連携・多職種連携をしていくのかを明らかにすることで,家族や病院だけでなく,社会全体でケアしていくうえで,かかりつけ医の先生方の助けとなる情報が提供できればと考えている.
大石 充
(鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科 心臓血管・高血圧内科学 教授)
特集●生活習慣病対策から認知症予防を考える
特集にあたって/大石 充
Ⅰ.大規模臨床試験・疫学からみる認知症予防
1)糖尿病/荒木 厚
2)脂質異常症/大内乗有,大橋浩二
Ⅱ.基礎的検討
1)高血圧/茂木正樹
2)糖尿病/里 直行
Ⅲ.症例から考える認知症予防のポイント
1)高血圧/小原克彦
2)糖尿病/小原 信,矢野宏行,渡邉健太郎,大庭建三
Ⅳ.生活習慣病患者から認知症を見つけ出すポイント
1)高血圧/小川純人
2)糖尿病/櫻井博文,羽生春夫
Ⅴ.認知症診療に対するチーム医療
1)専門医へ紹介するタイミング/金山大祐,大河内正康,武田雅俊
2)病診連携/長谷川 浩,神﨑恒一
3)多職種連携/福森優司,前川佳敬,大石 充