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月刊糖尿病 13年5月号
月刊糖尿病2015年7月号

2015年6月22日発売
A4変型判/96頁
価格:本体2,700円+税
ISBNコード:978-4-287-82073-5
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特集●SGLT2阻害薬の新時代〜機序から臨床まで

企画編集/加来浩平(川崎医科大学 総合内科学1 特任教授)
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 2014年春以降,わが国では6種類の選択的SGLT(sodium/glucose co-transporter)2阻害薬,すなわちイプラグリフロジン,ダパグリフロジン,トホグリフロジン,ルセオグリフロジン,カナグリフロジン,エンパグリフロジンが相次いで臨床の場に登場した.うちダパグリフロジンとエンパグリフロジンを除く4製剤は国産品である.本薬は,創薬の段階からわが国が,世界を終始リードしてきたものであり,まさにわが国が生んだ新規経口糖尿病薬といってよい.本製剤の特徴は,血糖低下作用が尿糖排泄促進に基づくという既存薬とは一線を画すものである.糖毒性状態の解除や内臓脂肪の減少から,様々な代謝異常改善が示唆されており,血糖コントロールの改善のみならず病態進行抑制,そして合併症予防が期待される.一方で,浸透圧利尿亢進による脱水,尿路・性器感染症,インスリンとの併用時の低血糖,痩せの助長,あるいは皮膚症状等といった,多くは作用機序に基づくと思われる安全性への懸念も指摘されている.
 欧米諸国における本薬への期待は極めて高く,その背景には持続性のある血糖低下効果に加えて,肥満防止と心血管病危険因子の改善作用が高く評価されているようである.しかし,わが国におけるSGLT2阻害薬の使用現状は諸外国とはかなりかけ離れており,新規処方は進んでおらず,限定的な使用にとどまっている.恐らく過剰と思える程の安全性への懸念が背景にあると思われる.
 糖尿病の管理目標達成に薬物療法が果たす役割は大きいが,そこには十分な安全性と有効性が求められるのは言うまでもない.既存薬にはないユニークな特徴を持つ本薬の有用性を科学的に検証することは,今後の糖尿病薬物治療における重要な課題である.ベネフィット・リスク比でもみた本製剤の有用性を一日でも早く確立することこそ,われわれ,医療者に課せられた責務であろう.そのためにもまずは適正使用が求められる.
 SGLT2阻害薬の基礎的特徴から経口糖尿病治療薬としての位置づけ,投与すべき症例と避けるべき症例,また長期投与により期待される効果などを網羅した本特集が,これからのSGLT2阻害薬の適正使用の一助になることを願うものである.
 最後に,本特集の企画に賛同いただき,貴重な原稿をご寄稿いただいた著者の皆様に心から感謝を申し上げる.
加来浩平
(川崎医科大学 総合内科学1 特任教授)
1.Na共役型グルコース輸送体(SGLT)とは〜発見の歴史と生理機能/浅野知一郎・中津祐介
2.SGLTを標的とした薬剤開発の経緯/池田幸弥
3.SGLT2阻害薬の作用機序と薬理作用/高橋禎介
4.SGLT2阻害が病態生理におよぼす作用/松田昌文
5.SGLT2阻害薬に期待される臨床効果/金藤秀明
6.SGLT2阻害薬の安全性について/加藤義郎・中村二郎
7.SGLT2阻害薬と皮膚症状〜皮膚疾患は増えるのか/塩原哲夫
8.SGLT2阻害薬と腎機能の相互関係について/羽田勝計
9.SGLT2阻害薬の適正使用と注意点について/川浪大治・宇都宮一典
10.SGLT2阻害薬のポジショニング〜適する患者像とは/熊代尚記・弘世貴久
11.SGLT2阻害薬の可能性を考える〜病態進行阻止の観点から/梶川道子・柱本 満
12.SGLT2阻害薬の可能性を考える〜心血管疾患防止の観点から/岡田洋右・森 博子
13.SGLT2阻害薬の登場によって薬物療法はかわるのか/前川 聡
訂正文
『月間糖尿病』2015年7月号において,以下の箇所に誤りがございました。

・p7 図1
 (誤)

 (正)


皆様にご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。