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月刊糖尿病2016年4月号 |
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2016年3月22日発売 A4変型判/112頁
価格:本体2,700円+税 ISBNコード:978-4-287-82082-7
全ページカラー印刷
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企画編集/岩橋博見・下村伊一郎
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2型糖尿病は,「インスリン分泌低下を主体とするものと,インスリン抵抗性が主体で,それにインスリンの相対的不足を伴うものなどがある」とされている.欧米人では,2型糖尿病において肥満を伴う症例は90 %以上であり,そのほとんどがインスリン抵抗性主体である.一方,日本人は従来,インスリン分泌能が低い人種であり,2型糖尿病患者でも非肥満者が多く,インスリン分泌低下を主体とするものが多いとされてきた.しかし,ここ数十年におけるライフスタイルの変化から,日本における肥満人口は増加の一途をたどり,平成25年度の国民健康栄養調査によれば,肥満の割合は男性28.6 %,女性20.3 %となっている.このような背景のもと,2型糖尿病においても肥満を伴う患者の割合が増加している.
肥満を伴う2型糖尿病は,その多くが内臓脂肪蓄積に伴うメタボリックシンドロームあるいはその予備群から発症してくると考えられ,その予防・治療は,内臓脂肪量の減量にあることは言を俟たないが,一旦糖尿病域にまで進展した患者の血糖の是正には,抗糖尿病薬も必要となる場合が多い.現在,抗糖尿病薬はその作用機序から分類して,インスリン分泌促進系薬剤,インスリン抵抗性改善系薬剤,糖吸収・排泄調節系薬剤,さらにはGLP-1受容体作動薬,インスリン製剤がある.本特集では,肥満2型糖尿病の病態や合併疾患を考慮に入れて,これら糖尿病治療薬をどのように使うのが適切かについて,専門家の先生方にご紹介いただく.あわせて,合併しやすい重要疾患としてNASH(非アルコール性脂肪肝炎)やSAS(睡眠時無呼吸症候群)をとりあげる.さらに肥満2型糖尿病の外科治療についても外科,内科,両方の側面からご紹介いただく.
本特集が,肥満2型糖尿病の診療を行う上で糖尿病専門医のみならず,非専門医にとっても治療ガイダンスになることを期待している.
岩橋博見
(大阪大学大学院 医学系研究科 糖尿病病態医療学寄附講座 准教授)
下村伊一郎
(大阪大学大学院 医学系研究科 内分泌・代謝内科学 教授)
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Ⅰ.
Ⅱ.
Ⅲ.
Ⅳ.
Ⅴ.
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日本における肥満2型糖尿病の疫学/川田 亮・曽根博仁
日本人肥満2型糖尿病の病態 -インスリン分泌動態とインスリン抵抗性/岩橋博見
肥満2型糖尿病における抗糖尿病薬の使い方
1.インスリン分泌促進系薬剤(SU薬,グリニド薬,DPP-4阻害薬)/小澤純二
2.インスリン抵抗性改善系薬剤(BG薬,チアゾリジン薬)/朴木久恵・薄井 勲・戸邉一之
3.糖吸収・排泄調節系薬剤(α-GI薬,SGLT2阻害薬)/細井雅之・薬師寺洋介・上野宏樹
4.GLP-1受容体作動薬/前田法一・井上佳菜・藤島裕也
5.インスリン製剤/馬屋原 豊
肥満2型糖尿病の合併疾患とそのマネジメント
1.非アルコール性脂肪肝炎(NASH)/鎌田佳宏・三善英知・竹原徹郎
2.睡眠時無呼吸症候群(SAS)/南 朋子・岸田 堅
肥満2型糖尿病の外科治療
1.外科治療の効果とそのメカニズム -メタボリックサージェリーへの期待-/山本 寛 2.集学的肥満症治療における肥満外科治療の位置づけ -肥満症2型糖尿病への臨床応用とその課題-
/龍野一郎 |
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