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月刊糖尿病2017年5月号 SOLD OUT |
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2017年4月20日発売 A4変型判/96頁
価格:本体2,700円+税 ISBNコード:978-4-287-82095-7
全ページカラー印刷
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企画編集/小川佳宏
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今,腸内細菌が注目されている.次世代シークエンサーによるメタゲノム解析の進歩により,腸内細菌叢の網羅的解析が比較的容易になり,近年,腸内細菌に関する知見が増えている.腸管には1000種以上の腸内細菌が生息するが,総数は100兆個を超え,総重量は1〜1.5 kgであるとされる.腸内細菌は宿主であるヒトと共生し,食事中の栄養成分と相互作用することにより腸内環境の恒常性維持に関与することが明らかになってきた.たとえば,腸内細菌は難消化性多糖類を分解し,酢酸,プロピオン酸,酪酸などの短鎖脂肪酸を産生し,これらは腸管を病原菌から保護して炎症反応を抑制する.また,インクレチンなどの消化管ホルモンの分泌を亢進させて全身の糖脂質代謝の制御にも関与する.腸内細菌は宿主であるヒトと共生し,食事中の栄養成分と相互作用することにより腸内環境の恒常性維持に関与することが明らかになってきた.たとえば,腸内細菌は難消化性多糖類を分解し,酢酸,プロピオン酸,酪酸などの短鎖脂肪酸を産生し,これらは腸管を病原菌から保護して炎症反応を抑制する.また,インクレチンなどの消化管ホルモンの分泌を亢進させて全身の糖脂質代謝の制御にも関与する.
多くの動物実験により腸内細菌叢の乱れ(dysbiosis)は局所の腸内環境のみならず,全身の糖脂質代謝に大きな変化をもたらすことが示唆されている.しかしながら,臨床現場では腸内細菌検査はルーチン化されておらず,糖尿病や肥満などの生活習慣病における腸内細菌の病態生理的意義には不明な点が多い.非侵襲的に得られる糞便を用いて解析できるため,糖尿病や肥満症診療において腸内細菌をターゲットにした新しい診断法や治療法の開発が期待される.
本特集が,糖尿病専門医の知っておくべき腸内細菌研究の基礎と最近の進歩,生活習慣病における臨床応用の可能性,腸内細菌をターゲットとした新しい医療を考える機会になれば幸いである.
小川佳宏
(九州大学大学院 医学研究院 病態制御内科学分野 教授,
東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 分子細胞代謝学分野 教授)
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1.腸内細菌と疾患/長谷耕二
2.腸内細菌によるエネルギー代謝制御/中島 啓・木村郁夫
3.腸内細菌と肥満・メタボリックシンドローム/伊藤 裕
4.腸内細菌と循環器疾患/吉田尚史・山下智也・平田健一
5.腸内細菌と食事療法/浅原(佐藤)哲子・北野隆司
6.肥満症・2型糖尿病治療における腸内細菌/入江潤一郎
7.糞便微生物移植法の現状と展望/新井万里・水野慎大・金井隆典
8.プロバイオティクスによる生活習慣病予防作用と
将来に向けたビフィズス菌の基礎研究/堀米綾子・新井 聡・小田巻俊孝
連載【糖尿病の運動療法】糖尿病運動療法の保険適応/渥美義仁
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