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月刊糖尿病 117号(Vol.11 No.3, 2019) |
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A4変型判/80頁
価格:本体3,200円+税
ISBNコード:978-4-287-82114-5
全ページカラー印刷
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企画編集/春日雅人
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日本糖尿病学会「糖尿病の死因に関する委員会」の報告によると,我が国で2001〜2010年に死亡した45,000人を超える糖尿病患者の死因第一位はがんで,死因の38.3 %を占め,一般日本人の29.5 %よりも高率であった.実際,我が国におけるコホート研究からも,糖尿病によりがん罹患リスクが上昇することが報告されている.そこで本特集では,実際の臨床においても現在重要な課題となっている「糖尿病とがん」を取り上げた.
日本糖尿病学会では,日本癌学会と共同で「糖尿病と癌に関する委員会」を立ち上げ,既に2013年と2016年に計2報の報告をしている.本特集では,これらの報告を踏まえ,その後に見出された新知見も含めて,(1)〜(3)糖尿病とがん罹患リスク,(4)糖尿病におけるがん罹患リスク上昇のメカニズム,ならびに(5)糖尿病治療薬とがん罹患リスクについて,ご解説いただいた.さらに,委員会報告にはなじまない臨床現場で役立つ糖尿病マネジメントの実際について,すなわち(6)がん化学療法と糖尿病マネジメント,ならびに(7)・(8)周術期における糖尿病マネジメントについては,内科と外科の立場からご解説いただいた.また,糖尿病において罹患リスクが高いがん種として,肝臓がんと膵臓がんが知られている.そこで,(9)・(10)各論としてこの2種のがんを取り上げ,それぞれについて独自の調査に基づく貴重なデータを含めてご解説いただいた.
超高齢社会に突入している我が国において,加齢とともに増加することが知られている糖尿病とがんは,今後も増加し続けると予想される.したがって両者の合併を予防することは重要な課題である.この点,健康的な食事・運動・体重コントロール・禁煙・節酒が,2型糖尿病のみならずがんの罹患リスクも減少させると考えられていることは重要である.糖尿病患者においても,これらの点をよく理解して,食事療法・運動療法を励行していただきたいと思う.
春日雅人
(公益財団法人朝日生命成人病研究所 所長)
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1. 日本人糖尿病患者の寿命と死因/中村二郎,神谷英紀
2. 日本人における糖尿病とがん罹患リスク/後藤 温
3. 世界における糖尿病とがん罹患リスク/能登 洋
4. 糖尿病におけるがん罹患リスク上昇のメカニズム/森田靖子,小川 渉
5. 糖尿病治療薬とがん罹患リスク/添田光太郎,植木浩二郎
6. がん化学療法と糖尿病マネジメント/北澤 公,大橋 健
7. がん周術期の糖尿病マネジメント〜内科の立場から〜/猪狩真理,白川 純,寺内康夫
8. がん周術期の糖尿病マネジメント〜外科の立場から〜/山田和彦,國土典宏
9. 日本人における糖尿病と肝がん/建石良介
10. 日本人における糖尿病と膵がん/濱田 晋,正宗 淳
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