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月刊糖尿病 126号
月刊糖尿病128号(Vol.12 No.8 2020)

A4変型判/128頁
価格:本体4,000円+税
ISBNコード:978-4-287-82125-1

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特集●令和時代のインスリン療法

企画編集/弘世貴久

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 インスリンの発見は1型糖尿病を死の病から合併症の病に変えた.それからおよそ100年,インスリン療法はさまざまな要素において,すばらしい進歩を遂げてきた.まず,何よりも製剤自体の進歩は重要である.➀ブタやウシの膵より抽出・精製,➁遺伝子工学に基づいて作成されたヒト型インスリン,そして➂アナログインスリンの登場,という進化があった.今後期待される製剤は週1回のインスリン,経口インスリンや血糖応答性インスリンといったところだろうか?もちろん注射剤として必要な注射器の進歩も忘れてはいけない.さらに持続血糖モニターに代表される血糖測定法の進歩,ポンプ療法の進歩などもきわめて重要である.さらにインスリン導入やステップアップに伴う療養指導の充実は,現実にインスリン療法を行っていく場面,場面において最も重要な要素である.洗練されたインスリン療法チームが少なくなくなったのはとても喜ばしいことで,そしてもう一点忘れてはならないのは,専門医の職人芸であったインスリン療法が,多くの糖尿病患者も診ている医師によって実践されるようになったことだと思う.製剤の進歩,注射器の進歩,モニター法の進歩のすべてがこのことに貢献してきた.インスリン療法の一般化はcommon diseaseである糖尿病診療にとってきわめて重要であり,筆者の長年の想いでもあったのでより感慨深い.さらに注目すべきは注射薬GLP-1受容体作動薬がもう1つの糖尿病注射薬として加わったことである.インスリンとの使い分け,あるいは併用において多くの議論があると思う.とくに発売されたばかりの両者の配合剤については,これまで考えられてきた「配合剤」の考え方とは頭を入れ替えて使用していく必要があると思われる.
 本特集では,令和時代を迎えたインスリン療法の現状について,第一線の診療にあたっておられる専門医の先生方に無理を言って原稿執筆をお願いした.エビデンスだけでは見えてこないさまざまな臨床シーンにおけるインスリン療法の実践について,ご自身の経験も踏まえて踏み込んだ執筆をしていただけたのではないかと考える.

弘世貴久
(東邦大学 医学部 内科学講座 糖尿病・代謝・内分泌学分野 教授)




I.インスリン導入のキホン
 1. 現在使用可能なインスリン製剤と海外のガイドライン/中村宇大
 2. 外来でのインスリン導入(BOTとそれ以外)/釣谷大輔
 3. 入院でのインスリン導入/仁科周平,山本恒彦
 4. インスリン導入時・導入後のサポートのコツ/福井宗憲
II.インスリン療法のステップアップ
 1. BOTからのステップアップ/北澤 公
 2. 内服薬を用いた治療強化〜インスリン抵抗性改善薬〜/中西修平
 3. 内服薬を用いた治療強化〜インスリン分泌促進薬〜/谷口晋一
 4. 内服薬を用いた治療強化〜DPP-4阻害薬〜/岡島史宜
 5. 内服薬を用いた治療強化〜SGLT2阻害薬〜/白神敦久
 6. 配合薬を用いたステップアップ/北島浩平,駒津光久
III.インスリン療法のステップダウン
 1. インクレチン薬を用いたステップダウン/佐藤雄一,内薗祐二,布井清秀
 2. SGLT2阻害薬を用いたステップダウン/鳥本桂一,岡田洋右
 3. グリニド薬を用いたステップダウン/田蒔基行
IV. 新しいインスリン療法とその周辺
 1. SGLT2阻害薬と1型糖尿病のインスリン療法/阿比留教生
 2. インスリン注入器アップデート/朝倉俊成
 3. インスリンポンプ療法,血糖モニターをしっかり生かす/池原佳世子
 4. 配合剤を用いた新しい注射療法の導入/渕上彩子,弘世貴久
 5. 開発中のインスリン製剤/細井雅之