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月刊糖尿病148号(Vol.15 No.1 2023) |
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A4変型判/112頁
定価4,400円(本体4,000円+税10%) ISBNコード:978-4-287-82145-9
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特集●SGLT2阻害薬を極める 〜なぜ1stチョイスとしてSGLT2阻害薬が考慮されるのか?〜
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企画編集/柴田 玲
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新型コロナウイルス感染症のパンデミックは,感染症に負けない身体づくりの大切さを,社会に強く意識させました.とくに,肥満や糖尿病,高血圧などの生活習慣病,心不全や慢性腎臓病などの心腎疾患は,新型コロナウイルス感染症の重症化因子であることから,Withコロナ時代は,ますます生活習慣病や心腎疾患の管理が重要であると考えられるようになりました.そしてその管理のための最も有効なツールの1つがSGLT2阻害薬ではないかと思われます
2014年に糖尿病治療薬として上市されたSGLT2阻害薬は,単に血糖を下げるのみならず,非常に多面的な作用を有しています.血糖低下に加え,体重や血圧,心,腎によい影響を与えることが,さまざまな大規模試験の結果から示されました.その結果,2020年には,慢性心不全治療薬として,2021年からは,慢性腎臓病の治療薬として,一部のSGLT2阻害薬が承認され,現在では,SGLT2阻害薬は「糖尿病/心腎治療薬」に変化を遂げました. これまで,SGLT2阻害薬は,安全性などの観点から,若くて肥満を伴う糖尿病患者に対して,つまり,どちらかというと限定的な患者像での使用にとどまっていた傾向
がありました.しかし,心血管イベントを抑える,腎アウトカムを改善させるといった大規模試験の結果,高齢者での安全性データなどが示されたこと,そして,糖尿病/心腎治療薬と用途拡大したことから,幅広い患者層へ,早期からSGLT2阻害薬が使用されるケースが増えてきました.
人口の高齢化や医学の進歩とともに,糖尿病患者の寿命も着実に延びています.そのため,我々が糖尿病診療を行ううえでは,常にその方の10年20年先を見据えた治療を行う必要があります.目の前の血糖値を低下させることに加え,将来の合併症予防を常に見据えなければなりません.将来の心血管イベントを抑える,腎アウトカムを改善させるため,SGLT2阻害薬を早期に使用する,第一選択薬として選択する,このような攻めの治療が,今後増えてくると確信しています.
そこで今回は,「SGLT2阻害薬を極める─なぜ1stチョイスとしてSGLT2阻害薬が考慮されるのか?」をテーマとし,「エビデンス」と「機序」と「診療」の3つの観点から,糖尿病,循環器内科,腎臓内科の専門医の先生方にご執筆いただきました.本誌を一読すれば,SGLT2阻害薬を極めることができる内容となっています.大変ご多忙のなか,ご執筆いただいた先生方に感謝申し上げるとともに,本特集が今後の診療に少しでもご活用いただければと祈念しています.
柴田 玲
(名古屋大学大学院 医学系研究科 先進循環器治療学 特任教授)
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Ⅰ.SGLT2阻害薬の歴史
1.SGLT2阻害薬の歴史 The SGLT2 inhibitor;its history and future perspective/金井好克
Ⅱ.大規模臨床試験から学ぶSGLT2阻害薬
1.大規模臨床試験から学ぶSGLT2阻害薬の血糖低下効果/的場圭一郎,西村理明
2.大規模臨床試験から学ぶSGLT2阻害薬の心血管イベント抑制効果/井手友美
3.大規模臨床試験から学ぶSGLT2阻害薬の腎イベント抑制効果/小田原 幹,菅原真衣,南學正臣
Ⅲ.SGLT2阻害薬の作用機序を考える
1.SGLT2阻害薬の膵β細胞保護効果/伏見佳朗,金藤秀明
2.SGLT2阻害薬の心保護効果/佐野元昭
3.SGLT2阻害薬の腎保護効果/中野大介
4.SGLT2阻害薬の肝保護効果/角田圭雄,木本 慧,坂本和賢,中出幸臣,伊藤清顕,米田政志
Ⅳ.積極的にSGLT2阻害薬を使用すべき患者像を考える
1.糖尿病治療の側面から/森下啓明,神谷英紀
2.心不全治療の側面から/城島昂太,田中敦史,野出孝一
3.CKD治療の側面から/平田英生,深水 圭
4.高齢糖尿病患者に1stチョイスとしてSGLT2阻害薬が考慮されるのか? /神原貴博,柴田 玲,室原豊明
5.使用不適な患者像を考える/三好秀明
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