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透析スタッフ 2014年第3号
14年4月10日発売
A4変型判 80頁
価格:本体1,980円+税
ISBNコード:978-4-287-75005-6
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特集これだけは知っておきたい バスキュラーアクセス管理

企画編集/久木田和丘
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 血液透析療法はダイアライザー,各種機器,透析液の開発・改良,抗凝固薬などの各種薬剤の開発や発展によって進歩してきました。そしてバスキュラーアクセス(VA)の発展もその大きな一翼を担っています。血液透析の黎明期にはVA自体も問題であり,外シャントが発表されるまでは硬いカテーテルなどを使って一時的な血液透析しかすることできず,慢性維持透析は不可能でした。外シャントの出現後,長期の維持透析が可能となりました。その後まもなく内シャントも発表され,この時期以来,VAとしては安定した長期の透析が担保されるようになりました。
 VAは,2005年以前はブラッドアクセスと称されていましたが,英語のvascular accessとの整合性を図り,日本透析医学会からVAと訂正され,2005年にそのガイドラインが発表されました。2011年にはガイドラインの改定版も出ています。そこにはインフォームドコンセントから作製の基本,修復,合併症,管理などについて詳細に示されています。血液透析業務は医師,看護師,臨床工学技士を中心に多種の職種が関与していますが,日常最も多く患者に接し,多くの情報を得ることができるのは看護師,臨床工学技士といっても過言ではありません。看護師の職種はそのまま透析にも業務が拡大されましたが,比較的新しい職種として登場した臨床工学技士の血液浄化業務は,血液浄化装置の保守,点検,血液浄化の準備,管理のほかVAへの連結と離脱なども含まれています。したがってコメディカルスタッフにとってもVAに対する知識が必須となってきています。現在までの維持血液透析患者の増加は目覚ましく,2012年末にはその数が30万人を越えるようになってきました。しかし一方,VAの問題としては患者の高齢化,糖尿病患者の増加,透析導入年齢の高齢化,透析歴の長期化などによって血管の荒廃した方々も増加し,よいVAを確保することが困難なことも少なくはありません。よいVAを作製し,よい状態で長持ちをさせる日常管理が望まれます。
 本特集は「これだけは知っておきたいバスキュラーアクセス管理」として作製の基本方針から日常管理あるいは合併症予防とその対策について,この分野で造詣の深い先生方に執筆していただき,日常臨床に役立つべく企画しました。
久木田和丘
札幌北楡病院 外科,副院長
特集
1.バスキュラーアクセス作製の基本とその時期/大平整爾
2.バスキュラーアクセスの種類と特徴/春口洋昭
3.バスキュラーアクセスの日常管理
1)穿刺時期あるいは使用開始時期と方法/土田健司ほか
2)バスキュラーアクセスに対する透析ごとのチェック/武本佳昭ほか
3)バスキュラーアクセスの心機能への影響/室谷典義
4.バスキュラーアクセス合併症の管理
1)狭窄と閉塞/池田 潔ほか
2)瘤/後藤順一
3)静脈高血圧症/佐藤元美
4)スチール症候群/佐藤 隆
5)過剰血流/神應 裕
6)感染/副島一晃
7)血清腫/百瀬昭志
8)アクセス関連疼痛/久木田和丘
9)血管内留置カテーテル関連トラブル/東 仲宣ほか