|
|
透析スタッフ 2014年第5号 |
|
14年8月11日発売
A4変型判 80頁
価格:本体1,980円+税
ISBNコード:978-4-287-75007-0
全ページカラー印刷 |
|
|
企画編集/杉田和代
|
|
|
|
画像をクリックするとサンプルをご覧いただけます |
|
|
|
|
慢性腎臓病患者は,末期腎不全に至れば生命を維持するのに腎代替療法(以下,透析)が必要になり,生涯,透析を受けながらの生活を余儀なくされます。2012年の年間透析導入患者は約3万人です。この患者数は約20年前の透析導入基準が作成された頃と比較すると,約1万5000人増加しています。特に著しく変化したのは透析導入患者の導入年齢です。平均透析導入年齢は20年前の約56歳に対して,2012年では約66歳と10歳高齢化しています。また,透析に至った原疾患では,1998年以降は慢性糸球腎炎を抜いて糖尿病腎症が一位を占め,2012年では約44%を占めます。さらに変化の一つとして,2010年から臓器移植法が改正されています。このように導入患者の背景や取り巻く環境は変化しています。
しかし,患者にとっては透析を受けるか否か意思決定し透析導入する時期は,末期腎不全による身体状況の変化だけでなく,今後の生活自体(仕事,時間的な拘束,経済面,介護される負担など)の変化が伴います。また,高齢化に伴い認知症などによって患者自身では透析を受けるか否か判断できない場合や介護の問題など,家族を含み多くの課題を抱えます。私たち医療者は,患者やその家族が抱える問題を伴に考え,患者ひとりひとり,そしてその家族が生涯に及ぶ透析を受けながらの生活をよりその人が望む生活が維持できるように支援したいと考え,日々努めています。
今回,「透析導入時のケアポイント」として,透析導入患者の背景の変化を踏まえて,透析導入前後の身体・心理面の状態を解説していただきました。さらに患者の身体面のケアとともに今後よりいっそう重要になる生活・環境の支援について,具体的に各職種の方に解説していただき,職種間の理解も深め,患者ひとりひとりの生活支援につなげていきたいと考え,今回の企画を致しました。
杉田和代
東京有明医療大学 看護学部
慢性疾患看護専門看護師
|
|
|
|
特集
①透析導入直前の身体・心理面の状態
1.身体面/本田浩一
2.心理面:心理と精神症状/堀川直史
②各腎代替療法のポイントと長短所/谷澤雅彦
③アクセスを作成する時期,種類・方法/末木志奈
④透析導入前後の患者のケアポイント/井上智恵
⑤透析導入時のケアポイント(透析室)/麓 真一,岡 美智代
⑥退院までの指導・準備
1.透析導入時の栄養指導/齋藤かしこ
2.服薬指導/田中章郎
3.運動療法/塩見耕平,斎藤知栄,山縣邦弘
⑦転院先から欲しい情報/土屋和子
|