HOME看護セミナー > 母乳育児支援を学ぼう〜基礎からアドバンスまで〜
日本における医学部教育、看護教育、助産師教育のカリキュラムにおいては、世界標準である母乳育児の基礎知識を学べる時間はほとんどないか、あってもわずかです。WHO /UNICEFは以前から適切な母乳育児支援の基礎となる情報を、母乳育児をすすめる場合のみならず母乳代用品が必要な母子をも含めて、赤ちゃんへの最適な栄養とは、というグローバルな観点から提案しており、これが世界の支援のスタンダードとなっています。
またこの方法を施設や地域で実践するための基本となるスタッフ教育のプログラムも提供しています。しかし日本ではこれらの情報が公的な教育の場で取り上げられることは少なく、そのようなガイドラインやプログラムの存在さえも知らずに臨床に入ってしまうというのが現状でしょう。
 一昨年WHO /UNICEFは10年ぶりに母乳育児支援のガイダンスの見直しを行いました。大筋の方針は変更がないものの、この間の反省点を踏まえての提案がなされ、さらに寄せられた300ものコメントへの討議を経て、昨年新しい指針が出されました。今回のセミナーではこの新しい指針を含めて、世界で標準とされている支援とはどのようなものか、その科学的根拠のポイントは何なのかについて、基本から解説していく予定です。
まず前半は「母乳育児の基礎知識」というベーシックなタイトルです。支援の基本方針の裏付けとなる根拠について、母乳育児がなぜスタンダードなのかについての最新の知識を学びます。2章に情報を伝えるための基本的なスタンス、コミュニケーションスキルの基本情報を入れました。第3章が分泌の仕組み、4章は成分についてです。5章が支援の一番の基本となる「ポジショニング(授乳姿勢、抱き方)」と「ラッチ・オン(吸着、吸いつき)」です。簡単なようで難しいと言われる授乳姿勢の支援について、丁寧に解説いたします。6章は発達評価と補足の適応。補足が必要かどうかの判断は、評価が先です。7章は薬剤と母乳育児に関して押さえておかねばならない基礎知識、第8章、9章はお母さんと赤ちゃんに疾患がある時の母乳育児、最後の10章は母乳で育てない場合の支援、と基本的な情報を網羅します。


奥 起久子 先生
小児科専門医、新生児専門医・母乳育児医学アカデミーフェロー・国際認定国際認定ラクテーション・コンサルタント
現職:地域振興協会 東京北医療センター小児科

【略歴】
1970年 東京医科歯科大学医学部医学科卒業
1971〜74年 都立豊島病院小児科
1974〜78年 金沢医科大学小児科助手/講師
1978〜80年 東京医科歯科大学医学部麻酔科/国立小児病院麻酔科
1980〜81年 フランス、パリ大学ポールロワイアル(Port-Royal)病院胎児新生児研究所
1981〜94年 都立豊島病院小児科
1994〜2011年 川口市立医療センター新生児集中治療科副部長/部長
2003〜11年 東京医科歯科大学大学小児科臨床教授
2011〜14年 亀田総合病院新生児科顧問
2015年〜 地域振興協会 東京北医療センター小児科

【母乳育児支援関連履歴】
2004年〜 国際認定ラクテーション・コンサルタント(IBCLC)
2008,2014再認定
2011年〜 Fellow of Academy of Breastfeeding Medicine(FABM)
2011〜12年 NPO法人日本ラクテーション・コンサルタント協会代表
2014〜18年 日本母乳哺育学会評議員
2018年〜 NPO法人日本ラクテーション・コンサルタント協会広報事業部長

【資格・所属学会】
日本小児科学会専門医、日本周産期・新生児医学会専門医(新生児)、日本周産期・新生児医学会認定臨床指導医、全国自治体病院協議会認定臨床指導医、日本周産期・新生児医学会認定NCPRインストラクター
編著書「新生児輸液マニュアル」メディカ出版(2003)
共著書「クリニカルナーシングガイド14.新生児」メディカ出版(1999)、「AHA心肺蘇生と救急心血管治療のためのガイドライン2005日本語版」日本蘇生協議会(2006)、「EBM小児疾患の治療2007-2008 」中外医学社(2007)、「各種人工呼吸器の特徴と保守管理:人工呼吸療法改訂第4版」秀潤社(2007)、「小児科学第3版」医学書院(2008)、「科学的根拠に基づいた新生児慢性肺疾患の診療指針 改訂第2  版」メディカ出版(2010)、「画像による新生児症例カンファランス〜どこを見る何がわかる?」 メディカ出版(2012)、「母乳育児支援スタンダード」医学書院(2007)第2版(2015)、「すぐわかる小児の    画像診断 改訂2版」秀潤社(2017)
共訳書「AAP/AHA 新生児蘇生テキストブック」医学書院(2006)、「新生児シークレット」メディカル・サイエンス・インターナショナル(2008)


柳澤美香 先生
保健師、看護師
国際認定ラクテーション・コンサルタント
現職:千葉愛友会記念病院 産婦人科病棟

【略歴】
1986年  千葉大学看護学部 卒業
1986〜2000年11月 葛飾赤十字産院勤務
2001〜2003年3月 都内助産所非常勤、葛飾区保健所非常勤、母乳育児相談の出張開業
2001年 国際認定ラクテーション・コンサルタントに認定(2006年、2011年 、2016年再認定)
2003〜2014年 ちほ助産院開業(自宅出産、オープンシステム出産)
2003〜2014年 窪谷産婦人科母乳相談専門員非常勤
2014〜2016年12月 窪谷産婦人科母乳相談専門員長、同院産前産後ケアフロア長
2017年1月〜現在 千葉愛友会記念病院 産婦人科病棟勤務
2005年〜 現在 千葉大学看護学部 非常勤講師
2008〜2013年 埼玉県立大学看護学部 非常勤講師
2008年〜 現在 千葉県立保健医療大学看護学科 非常勤講師
2008年〜 現在 母子保健研修センター助産師学校 非常勤講師
2018年〜 現在 武蔵野大学看護学部 非常勤講師

【資格・所属学会】
訳書『補完食〜母乳で育っている子どもの家庭の食事』翻訳監修 戸谷誠之、(日本ラクテーション・コンサルタント協会発行、2006年) (原著:WHO ‘Complementary Feeding ? Family foods for breastfed children’.2000.)
共著書『わたしが一番輝くとき〜自然なお産にチャレンジ!』DVDブック、共著者 進純郎、小谷博子(医学映像教育センター2008年発行)
共著書『母乳育児支援スタンダード』NPO法人日本ラクテーション・コンサルタント協会編(医学書院、第一版 2007年、第二版 2015年 発行) ‘直接授乳が困難な場合の支援’ p214-223.担当.
「吸えない乳房はない」をモットーに、真性陥没乳頭や扁平乳頭の母乳育児支援に取り組んでいます。焦らせずゆっくり時間をかけて、直接授乳が叶うまでの期間を支え続ける支援を広げたいです。


【講師からのメッセージ】
「母乳育児を選択すると言うことは個人的なライフスタイルの問題だけではなく公衆衛生的見地から考える必要がある。(中略)出産施設や地域で母乳育児を推進することは国家戦略である。」「母乳の利点を強調することは、母親を追い詰めることになりかねない」 前者はある欧米の政府関係の、後者は日本の政府関係文書から引用したものです。なんだか随分違ったスタンスですが、皆さんはこれを読み比べてどう思いますか? 日本で母乳育児支援を志ざそうとするとまず第一に立ちはだかるのは、根拠ある母乳育児支援のイロハをどこでも学んでいない、学ぶところがない、と言うことです。では卒後現場でその手ほどきがあるかと言うと、ご存じのように例外を除いてどこにもそう言う系統的に学ぶ場所がないことは、ご存じの通りです。よく遭遇するのは、経験に基づく先輩からの助言であることが多く、その科学的根拠はどうなのか、世界基準から見てそれは適切なのか、と聞かれると答に困ることはないですか? 今回のセミナーでは、以上の観点から、科学的根拠のある母乳育児支援を学ぶ〜基礎からアドバンスまで〜という構成にしました。今まで学んできた知識・情報を補完するものになるのか、今まで学んだことと違うと感じるか、それはあなた次第です。

※会場は変更となる場合がございます。予めご了承ください。
【本セミナーの目標】
科学的根拠のある母乳育児情報を把握する。
国際的に推奨されている支援方法について認識する。
上記の情報にアクセスするための方法を学ぶ。
それぞれの施設や地域でどうすれば行動変容を起こすことができるかについて考える。

10:00 〜 16:30
科学的根拠のある母乳育児支援を学ぶ
〜基礎からアドバンスまで〜

母乳育児の基礎知識―その1  奥 起久子
母乳育児の基礎知識―その2  柳澤美香(+奥 起久子)
- 昼食(60分) -
時系列で学ぶ10のステップ
ーStep1から早期接触まで(60分)   奥 起久子
時系列で学ぶ10のステップ
ーStep5から退院後の支援まで(60分) 柳澤美香
災害と乳児栄養(50分) 奥 起久子
質疑応答
特記事項:
午前中の講義で赤ちゃん人形とおっぱい模型を使う予定があります。
おっぱい模型は事前に購入を申し込んでいただければ購入の便宜を図ります(1個2000円)
※上記内容・進行予定は,変更する場合があります。
レジデント
11年2月号
レジデント
11年6月号
レジデント
13年9月号
レジデント
15年7月号