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月刊糖尿病 12年4月号
月刊糖尿病2012年4月号 SOLD OUT

2012年3月20日発売
A4変型判/144頁
価格:本体 2,500円+税
ISBNコード:978-4-287-82035-3
全ページカラー印刷

特集糖尿病患者のこころとからだ
   -心理行動科学的アプローチによる治療戦略-

企画編集/花房俊昭
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目次 特集 連載 連載
 糖尿病の治療は,「食事」「運動」「薬物」の3つが基本である.しかしこれらの治療を成功させるためには,糖尿病を持つ人の「心理」とそれに基づく「行動」,さらにはその人を取り巻く「社会」への配慮が欠かせない.百人の患者には百の人生があり,千人の患者には千の人生がある.患者一人一人がかけがえのない,ただ一度の人生を生きているのである.目の前の患者がどのような食事を好み,どのような食習慣があり,どのような仕事をし,身体をどの程度動かし,どのような性格で,どのような家族と生活しているのか,また,患者は経済的に困窮していないか,心配事を抱えていないか,また,病気に対してどのように思っているのかなど,これらすべての情報が治療を成功させるうえでのヒントとなる.医師は,患者の血糖値やHbA1c値などの検査値のみに基づいて治療法を決定すべきではない.その人が生まれてから今まで辿って来た人生を知り,その人の人生観を聴くことが大切だと思う.遺伝的背景や合併症の有無も,その人の人生の一部とみなせるであろう.医師は,患者の今までの人生の集大成が現在の血糖値であり,HbA1c値であり,合併症であることを理解したうえで,治療の方向性を判断すべきではないか.患者の「こころ」と「からだ」をともに診るという姿勢を,糖尿病の専門医・非専門医を問わず,糖尿病患者の診療に携わる医療関係者すべてに心がけていただきたい.糖尿病の治療は,糖尿病を持つ人の人生に対する医療人の正しい理解と深い洞察,そして温かいまなざしなくしては成功しない.
 特集『糖尿病患者のこころとからだ-心理行動科学的アプローチによる治療戦略-』は,そのような観点から糖尿病の治療を考える特集である.明日からの診療に必ず役に立つ情報が満載されている.糖尿病の専門医にも非専門医にも,糖尿病の診療にあたっておられるすべての医療関係者に読んでいただきたい.患者の人生に寄り添うことのできる医療人が,一人でも多くなることを願っている.
花房俊昭
(大阪医科大学 内科学I 教授)
特集にあたって/花房俊昭
1 糖尿病の心身医学-心療内科診療の実際-/松林 直
2 米国における心理行動学的介入法の現状/石井 均
3 肥満症の心身医学/乾 明夫 他
4 療養指導,チーム医療のエビデンス/坂根直樹
5 うつ病合併患者に対する心理行動科学的アプローチ/上島国利
6 高齢糖尿病患者に対する心理行動科学的アプローチ/吉田麻美 他
7 摂食調節物質からみた心理行動科学的アプローチ/河合啓介
8 栄養指導のコツ/赤松利恵
9 運動指導のコツ/真田将幸 他
10 認知行動療法/坂野雄二 他
11 エンパワーメント・アプローチ/久保克彦
12 糖尿病網膜症による視覚障害者へのアプローチ/安藤伸朗
13 行動変容に有用な向精神薬/黒田健治
14 日常診療に心理行動科学的アプローチを導入するコツ/深尾篤嗣 他

・セルフトレーニング -チェックリスト問題と解答-

連載
・テーラーメイド医療-糖尿病における現状と展望-
初回 連載にあたって/池上博司
・糖尿病の食事療法
第4回 小児糖尿病の食事/雨宮 伸