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月刊糖尿病 119号(Vol.11 No.5, 2019) |
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A4変型判/96頁
価格:本体3,600円+税
ISBNコード:978-4-287-82116-9
全ページカラー印刷
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企画編集/石田 均
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糖尿病の日常診療のなかで,良好な血糖コントロールを維持するとともに,さまざまな合併症の発症・進展を防ぐために,食事療法は必ず行うべき治療の基本となる.そして食事からの総摂取エネルギー量の適正化と摂取栄養素の良好なバランス,そして規則正しい食習慣の実践が,臨床において栄養指導の重要なポイントとなる.
しかしながら,現在の医療現場での状況の実際を顧みると,糖尿病診療に携わる医師や医療スタッフの食事療法に関する知識の習熟度には,必ずしも十分とはいえない側面がある.また,食事療法自身にもその問題点として,栄養素バランスの目安が,今のところ健常人の平均摂取量に基づいていること,それぞれの症例の糖尿病合併症のリスクを正確に評価する必要があり,その設定に制約を受けること,そもそも食事療法の継続そのものに困難を感じる場合が多く,個人の嗜好性や食生活をも十分に踏まえた「治療の個別化」が必要であること,などが挙げられている.そしてこの要因の1つとして,これまでの医学部の卒前ならびに卒後教育における,栄養学に関する相対的な知識不足についても,今一度ここで私達は考慮すべきと思われる.
これらの現状に鑑みて,今回の特集では「糖尿病の食事療法を極める」とのタイトルのもと,この分野の理論的な裏付けから実際の栄養管理のポイント,さらには栄養療法の近未来について合計で12のテーマを設けて,それぞれのエキスパートの方々に,この機会を活用して思う存分に筆を揮っていただくこととした.
まず理論的な裏付けとなる糖尿病食事療法に関する科学的なエビデンスを福井道明先生に,そして総エネルギー量と各栄養素の最適バランス設定についての考え方を長澤 幹先生に,また『食品交換表』による栄養指導の科学的な意義と,現状で考えられるその限界を窪田直人先生に解説していただく.
次に実際の栄養管理のポイントに関して,前半は代表的な栄養素である炭水化物,脂質,蛋白質の三者について,圓山泰史先生,丸山千寿子先生,北田宗弘先生から,これらの過剰や不足がもたらす種々のリスクや問題点と,糖尿病における至適な栄養素割合についての科学的な考え方を,それぞれの視点から述べていただく.そして後半では,その他の成分として食物繊維,食塩に加えてアルコール飲料の摂取量に関して,糖尿病の管理に関する最近の臨床面での動向と基礎的なエビデンスについて,鷹尾 賢先生,土橋卓也先生,川浪大治先生からそれぞれ述べていただくこととした.
続いて糖尿病の栄養療法の近未来の視点から,和食の食材との共通性が多いと考えられ,糖尿病への効果も指摘されている地中海食について柳川達生先生から,そして日本がまさに直面している高齢化社会における糖尿病食事療法のあり方を荒木 厚先生から,加えて,日本糖尿病学会が新たに発行した『カーボカウントの手びき』の内容を織り込みながら,カーボカウントの正しい指導法や理論を黒田暁生先生からご紹介いただく.
最後に,今回の企画の内容が,読者の方々にとっての糖尿病食事療法への新たな理解と,その極意の形成に役立つことを,特集の企画者として心から願っている.
石田 均
(市立長浜病院 ヘルスケアセンター センター長)
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1. 糖尿病の食事療法に関するエビデンス/福井道明
2. 糖尿病の食事療法のポイントとその実際/長澤 幹,石垣 泰
3. 『食品交換表』による栄養指導の意義とその限界/窪田直人
4. 炭水化物の摂取量・比率がヒトの健康に及ぼす影響に関するエビデンス/圓山泰史,篁 俊成
5. 脂質の摂取量と糖尿病の管理/丸山千寿子
6. 蛋白質の摂取量と糖尿病の管理/北田宗弘,古家大祐
7. 食物繊維の摂取量と糖尿病の管理/鷹尾 賢,飯塚勝美,矢部大介
8. 食塩の摂取量と糖尿病の管理/土橋卓也
9. アルコール飲料の摂取と糖尿病の管理/川浪大治
10. 地中海食の応用と糖尿病の管理/柳川達生
11. 高齢者糖尿病の食事療法/荒木 厚
12. カーボカウントの理論と実際/黒田暁生,松久宗英
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