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理学療法magazine 創刊号
A4変型判
価格:本体1,980円+税
ISBNコード:978-4-287-74001-9
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特集腰痛の不思議を理解する

企画編集/菊地臣一
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目次[PDF 特集[PDF 特集[PDF 連載[PDF
 近年,超高齢社会の到来,医療費の高騰,そして国家財政の窮状ともに,「腰痛」が各方面から国民の関心を集めています。1つは腰痛に対する捉え方の変化です。もう1つは,腰痛を代表とする慢性疼痛がもたらす心身への深刻な影響です。
 腰痛は単なる「腰の障害」というよりは,「生物,心理,社会的疼痛症候群」と捉えた方が理解しやすいという見解が多く出されています。その結果,治療は必然的に,多面的,集学的アプローチになります。
 また,慢性疼痛は,人間の寿命にも深く関与してきていることが明らかになってきました。疼痛の存在により「動かない」ことは,癌,生活習慣病,認知機能などの発症や増悪に深く関与していることも明らかにされてきています。
 世の中が複雑になり,個人,組織,そして文化圏間の利害が錯綜している今,腰痛は人間の感情表現の1つとして捉えられます。すなわち,「痛みの意味」を探ることが大切なのです。
 本特集では,腰痛治療の謎と何故を含めてその最前線を紹介します。
菊地臣一
福島県立医科大学 理事長 兼 学長,整形外科
特集
Ⅰ.腰痛,その不思議なるもの/菊地臣一
Ⅱ.最新の知見から
1.腰痛は単なる痛みの問題ではない〜寿命,がんなどとの関係〜/紺野愼一
2.明らかになりつつある椎間板からの痛み/大鳥精司,折田純久,高橋和久
3.現代社会と腰痛〜ストレスと非特異的腰痛の関係〜/松平 浩
4.リエゾン診療が教えてくれたこと/大谷晃司
5.高齢者の腰痛/豊根知明
6.女性の腰痛/佐藤勝彦
7.前屈・後屈で誘発される慢性腰痛患者に対する運動療法の効果〜腰背筋の酸素動態も含めて〜/松山幸弘
8.スポーツと腰痛/金岡恒治
9.腰痛と生活習慣病/小野 玲
Ⅲ.治療の進歩と課題
1.薬物療法の進歩/川口善治
2.治療としての「動くこと」の重要性/川上 守
3.手術の可能性と限界/松本守雄

連載
症例から学ぶ理学療法士の人体解剖図実習
第1回 片麻痺/荒川高光,三木明徳
訂正文
『理学療法magazine 創刊号』において,以下の箇所に誤りがありましたのでお詫びして訂正いたします.

p71 Ⅲ-2<治療としての「動くこと」の重要性> POINT
誤:
1 青年期と壮年期における女性特有の腰痛には,骨盤輪不安定症(仙腸関節性腰痛)と内生殖器疾患があります。
2 中年期における女性特有の腰痛には,閉経に伴う心身の変化があります。
3 高年期における女性特有の腰痛の発症には,脊椎骨粗鬆が大きく関与しています。

正:
1 動くことで健康に影響する生理的,心理的,社会的効果が得られます。
2 急性腰痛には安静よりも活動性の維持が,慢性腰痛には運動療法が有効です。
3 楽しく,気持ちよく動くことが腰痛の治療,予防に有効です。


皆様にご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます.