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理学療法magazine 2015年第3号 |
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A4変型判
価格:本体2,000円+税
ISBNコード:978-4-287-74004-0
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企画編集/日髙正巳
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以前では,「褥瘡ができたので,しばらく理学療法は中止します」と,褥瘡があることで理学療法を中止するという場面も見受けられましたが,近年では,理学療法士も院内の褥瘡対策チームの一員として,褥瘡治療に関わることが増えてきました。褥瘡ケアに関わり理学療法士が増えてきたことを反映して,学術大会などのシンポジウムでは,「褥瘡対策チームに入ったが,自分たちに何ができるのか?」「褥瘡治療として物理療法をどのように使うのか?」を求めて,会場に集まってこられる若い理学療法士の増加を感じているところです。理学療法士は,褥瘡の予防と治療の両面に関わることができる専門職です。 しかしながら,そのための基礎知識について,十分な理解ができているとはいえず,中には,「理学療法士が関わることで褥瘡が悪化する」と言われる場面もございます。「2時間毎の体位変換」ということについても新しい考え方が出されてきており,褥瘡ケアで用いられる用具の開発も進歩してきています。
本特集は,「褥瘡の予防と治療に関わるポイント」とし,理学療法士が理解しておくべきポイントを理解していただくことをねらいとして構成させて頂きました。
理学療法の基本的な流れとして,理学療法評価があります。褥瘡と対峙する場合,皮膚および褥瘡部を的確に評価できることが必要です。そのため,褥瘡の基本,褥瘡の発生予測評価,褥瘡の創面評価について,皮膚排泄ケア認定看護師の方に解説して頂きました。また,現在の褥瘡ケアは『褥瘡予防・管理ガイドライン(第3版)』に基づき実施されています。理学療法士が褥瘡の予防と治療に関わる中で専門性の発揮が求められるスキルをとりあげ,褥瘡ケアに日ごろ関わっている理学療法士の先生方に解説をお願いいたしました。褥瘡の予防の観点からはポジショニングとシーティングについて,褥瘡の治療の観点からは超音波療法と直流微弱電流刺激について実践を踏まえて具体的なアドバイスを交えて解説をお願いしています。最後に,褥瘡ケアは理学療法士だけで取り組めるものではなく,チームとして多職種連携実践が求められる領域です。
そこで,院内の褥瘡対策チーム,地域での訪問理学療法の場面において,理学療法士の果たす役割について解説をお願いしています。
本特集を通して,より多くの理学療法士の皆さんが褥瘡について理解を深め,臨床場面において,褥瘡を捉え,褥瘡を予防し,褥瘡の治療に取り組んでいくための一助になればと考えています。また,(一社)日本褥瘡学会が認定する褥瘡認定理学療法士,(公社)日本理学療法士協会が認定する認定理学療法士(褥瘡・創傷ケア)の認定を受けられる理学療法士が増えることを願っています。
日髙正巳
(兵庫医療大学 リハビリテーション学部 教授)
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特集
1 褥瘡の疫学 山本由利子
2 褥瘡発生のメカニズム 切手俊弘
3 褥瘡予防・管理ガイドラインについて 日髙正巳
4 褥瘡の評価①:発生を予測するためのポイント 濵元佳江,土田敏恵
5 褥瘡の評価②:創面評価のポイント 栁井幸恵
6 褥瘡の予防・悪化防止を目指したポジショニング技術 栄 健一郎
7 褥瘡を予防するためのシーティング技術 森田智之
8 褥瘡に対する物理療法の実践①:超音波療法 前重伯壮
9 褥瘡に対する物理療法の実践②:直流微弱電流刺激療法 吉川義之
10 褥瘡対策チームにおける理学療法士の役割 杉山真理
11 訪問理学療法による褥瘡ケア 田中康之
連載
症例から学ぶ理学療法士の人体解剖図実習
第4回 虚血性心疾患 井澤和大,三木明徳
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