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BRAIN 2013年第4号(July & August 2013)
13年6月17日発売
A4変型判
価格:本体¥2000+税
ISBNコード:978-4-287-85018-3
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特集介入事例とケアニーズから見つめなおす
   脳神経外科患者・家族の心理的ケア

企画編集/梶谷みゆき
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目次[PDF 特集[PDF 連載[PDF 連載[PDF
 脳神経外科患者というと,くも膜下出血・脳出血などの脳血管障害や頭部外傷の急性期治療,あるいは脳腫瘍の根治的な治療などにおいて外科的療法を受ける患者を思い起こすと思います。脳血管障害や頭部外傷の場合は,患者や家族にとって突然の出来事であり,超急性期には生命の危機に関わる状況に陥ります。生命の危機を回避できたとしても,意識障害や運動麻痺,嚥下障害や言語障害など,その後の患者と家族の生活に大きな影響を及ぼす重篤な後遺症を残します。患者の死への不安や重篤な後遺症発症の危惧など,患者と家族は心理的に大きな苦悩を抱えます。また,脳腫瘍の場合は脳血管障害や頭部外傷ほど時間単位で悪化するなどの急激な変化はないにしても,患者の生命の危機や神経症状が日々の生活の質に影響を及ぼす点は共通であり,ここでも患者や家族は病とともに生きるうえで多くの心理的苦悩に直面します。
 患者が生命の危機的状況を脱し身体的に安定すれば,急性期そして回復期のリハビリテーション,療養の場の決定など,患者と家族は,次々に新しい課題に対応することが求められます。脳神経疾患の発症とともに,患者と家族はこれまでに体験しなかった出来事と次々に向き合わなければならず,それら1つ1つに重層的に対応していかなければなりません。
 筆者は脳血管障害を発症した患者と家族が,「介護されること」「介護すること」をどのように受け止め,リハビリテーション期をどのような思いで過ごすのか,また双方がどのように自律性を回復するのか,そして両者の関係性と心理プロセスについて明らかにしました。彼らは,急性期・回復期のリハビリテーション,在宅療養期,そのときどきに,さまざまな課題に向き合い,彼らの持ちうる強みを活かしながらそれを乗り越える努力を重ねていました。
 この特集では,脳血管障害で外科療法を受けた患者と家族に焦点を当て,彼らの心理的特性を捉えつつ,急性期から回復期に出会う医療者がどのような介入をしているのか,介入事例を紹介しながら,その実践と評価・課題を整理していきたいと思います。また,医療サービスを受ける側である患者と家族の立場から,彼らが何を感じて療養生活を過ごし,私たち医療従事者に対してどのようなケアニーズを持っているかを明らかにしていただこうと思います。
 それらを通して,医療従事者が解決すべき課題について読者の皆様とともに考えていきたいと思います。
梶谷みゆき
(島根県立大学看護学部 看護学科 老年看護学 教授)
特集
1. 脳血管障害を発症した患者と家族に対する心理的ケア/梶谷みゆき
2. 脳神経外科手術を受けた患者と家族の心理−発症直後から在宅療養に至る患者と家族の体験世界−/
 [インタビュアー]梶谷みゆき
3. 脳神経外科医が実践する心理的ケア/井川房夫
4. 救急救命部門看護師が実践する心理的ケア/西尾万紀
5. リハビリテーション科医が実践する心理的ケア/永田智子
6. 回復期病棟看護師が実践する心理的ケア/糸原美晴,新宮真由美,上田純子,山下百合子
7. 摂食・嚥下障害看護認定看護師が実践する心理的ケア/馬庭祐子
8. MSWが実践する心理的ケア/武田和昭

連載
・ニューロナースの疑問に答える! 脳神経疾患画像診断レクチャー
 第16回 脊髄小脳変性症
 執筆●今井昌康・土屋一洋 企画●土屋一洋
・エッセイ●こころとからだ
 第11回 宗教心の理解
 内田 都
・主要症例で学ぶ ナースが知りたい! 脳神経外科疾患の病態・治療・術後ケア
 第17回 経蝶形骨洞手術
 執筆●松尾孝之 企画●林 健太郎