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BIRTH 8月号 SOLD OUT |
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A4変型判/112頁 価格:本体1,980円(税込)
ISBNコード:978-4-287-87006-8
全ページカラー印刷 |
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特集●母体死亡ゼロをめざして 産科出血の最新の対処法と看護
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企画編集/竹田 省 |
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厚生労働省研究班(主任研究者:中林正雄)の調査によると,“1人の妊産婦死亡には,73人の死に至りうる重症妊産婦が存在する”ことが判明し,この数値から毎年,4000〜5000人の重症妊産婦管理例が発生していることが推定されています。この数値は1950年前後の妊産婦死亡率に匹敵し,どの時代でも分娩はある確率で危険を伴うことが起こり,その時代では助けられなかったと考えられます。この調査での最も多い重篤症例の原因は,やはり大量出血によるもので,子宮摘出術や動脈塞栓術(transcatheteric arterial embolization;TAE)などを施行し,かろうじて救命した症例も含まれています。最近での大量出血症例の特徴は,以前と異なり経膣分娩ではなく,70%が帝王切開術中であり,手術中の対処法や管理,輸血療法が重要となっています。
産科出血の特徴としては,突然大量に起こり,容易に播種性血管内凝固症候群(disseminated intravascular coagulation;DIC)に陥りやすく,従来の輸血ガイドラインや新鮮凍結血漿(FFP)輸血ガイドラインでは実情に合わず,臨床上問題も多いことがいろいろな現場から指摘されています。産科DICに陥るとフィブリノゲンが極めて低値となり,出血傾向からの離脱は,欧米のようにcryoprecipitateやフィブリノゲン製剤が使えない日本において,その治療は供給源であるFFP輸血しかありません。2010年「産科危機的出血への対応ガイドライン」が策定され,もう一度DICの病態に即した止血機序の理解を深め,早期に止血を図る輸血法,管理法を習得していただきたいと思います。
竹田 省
(順天堂大学 医学部産婦人科学講座 教授,『BIRTH』編集委員)
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特集
1. 妊婦の高齢化と最近の妊産婦死亡の現状/齋藤知見
2. 危機的出血への対応ガイドラインと看護/田中沙織,田中利隆,三橋直樹
3. 産科危機的出血への対応ガイドラインと看護/山本恵理子
4. DICの輸血法と看護/見上由紀子
5. 妊娠初期の出血の対応と看護/楢原洋子
6. 妊娠中期の出血の対応と看護/本間真紀
7. 常位胎盤早期剥離の対応と看護/齋木美恵
8. 分娩時出血の対応と看護/伊志嶺悦子,山里綾乃,仲間博子,川平由美
9. 帝王切開時の出血の対応と看護/馬場万里子
10. 産科出血に対するカテーテルインターベンションと看護/曽根美雪 他
連載
・超音波検査 一目瞭然! -正しい楽しい使い方- 第6回 大きさを知る/増崎英明
・岡本正子先生のからだのためになるレシピ
第6回 夏のつるるんメニュー/岡本正子
・声なき声を聴くために 胎児心拍数モニタリング判読塾
第6回 基線とは/鮫島 浩
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