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手術ナーシング 2017年第2号(Vol.4 No.2)

2017年2月18日発売
A4変型判/96頁
価格:本体2,000円+税
ISBNコード:978-4-287-71006-7
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特集整形外科での器械出し-シミュレーションとコツ-
企画編集/金森昌彦

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 整形外科手術の「器械出し」という仕事に,やりがいを感じる看護師さんとストレスを感じる看護師さんがいます。これは何が違うからでしょうか?もちろん経験や好みの問題があるかもしれませんが,そこには整形外科手術という特殊性があります。1つには整形外科の手術には骨・関節の部位が多すぎて,熟練した看護師さんでも覚えることが面倒であるという点が挙げられます。もう1つには同じ骨折でも手術方法が術者により大きく異なり,かつ新しい手術手技,手術器材などが次々と開発されているということです。いわゆる「新しがり屋さん」には興味深い領域かもしれませんが,そうでない看護師さんにとっては整形外科手術に興味がもてなくなる原因の1つです。さらに低侵襲手術による小皮切では「器械出し」をしていても手術の進行状況が把握しにくいことさえあります。しかし,多くの手術の目的は単純で,骨折であれば骨を接合する,脊椎であれば神経の除圧をするか固定する,人工関節手術なら新しい生体材料で置換する,などはっきりしています。これらの特徴が自分に合うか,合わないかで冒頭のような状態が起こるのかもしれません。
 しかし,手術室は患者さんが自分の疾病回復に命を賭けた場所なのですから,「器械出し」は手術室の看護師としてのプロの仕事として心得なければなりません。その克服のステップがシミュレーションです。
 すべての手術治療はチーム医療の実践により成り立ちます。「器械出し」は直接介助としての技術だけが問題ではありません。器械はその準備,消毒にはじまり,手術前のシミュレーションとイメージトレーニング,そして術後の後片付けも含めてどのステップにミスが生じても手術は成功しません。術者との協同作業では高い信頼関係の中で,いかに適切に先を読み,器械の出し入れができるか,また医療安全の視点も含めた対応が必要です。そのためには手術前日までのシミュレーションが欠かせません。とくにはじめての手術,借り物器械の多い手術では十分なシミュレーションとともに術前のイメージトレーニングが必要になります。本番の手術をいかに成功に導くかは医療者の1人1人の役割に求められており,器械出し看護師として貢献するにはやはり毎回の準備が必要です。
 この特集では「器械出しの手順」というよりは「手術行程を理解したうえで,手術前のシミュレーションをどのように行ったらよいか?」という視点で各分野の整形外科専門医の先生方にご執筆を賜りました。すべての項目に「看護師からのアドバイス」を付し,執筆原稿を看護師との共同執筆にしております。医師からのメッセージとともに熟練看護師からのメッセージも伝わるように心がけることで,より理解しやすくなるように工夫しました。本特集をぜひ参考にしていただき,手術室における今後の日常業務に役立ていただければ幸いです。
金森昌彦
(富山大学医学部看護学科・人間科学講座 教授)
第1章 整形外科手術-器械出しの基本
I-1. 身につけたい基本動作と心構え 金森昌彦,澤田浩美,矢野正晃
I-2. 5Sで考える手術室の管理と器械出し 飯塚真理子,釈永清志
I-3. 医療安全からみた手術器械の取り扱い方 金森昌彦,木本久子,安田剛敏

第2章 脊椎手術の器械出し
II-1. 前方アプローチの手術 石原裕和,杉﨑由希子
II-2. 後方インストゥルメンテーション手術 宮本雅史,福嶋 宏
II-3. 内視鏡によるヘルニア摘出術 大森一生,岩佐加奈

第3章 上肢手術の器械出し
III-1. 手の外科・マイクロサージャリー 長田龍介,西川 昇
III-2. 肩関節鏡視下手術 杉森一仁,中村陽子

第4章 下肢手術の器械出し
IV-1. 大腿骨近位部骨折の手術 市村和徳,楠 陽子
IV-2. 人工股関節置換術 森田裕司,本宮純子

第5章 特殊な整形外科手術の器械出し
V-1. 化膿性骨髄炎・関節炎・筋炎の手術 安田剛敏,中村陽子,嶋田優香
V-2. 悪性骨・軟部腫瘍の手術 西本 裕,大野貴敏,杉山潤子,村瀬妙子