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手術ナーシング 2017年第4号(Vol.4 No.4) SOLD OUT |
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2017年7月18日ごろ発売 A4変型判/96頁 価格:本体2,000円+税 ISBNコード:978-4-287-71008-1
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特集●手術におけるチーム医療の推進と手術看護の役割拡大
企画編集/深澤佳代子
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平成21年,厚生労働省により「日本の実情に即した医師と看護師等との協働 ・連携のあり方について検討を行う」目的で『チーム医療の推進に関する検討会』が発足されました。度重なる検討の結果,平成22年に「チーム医療の基本的な考え」,「看護師の役割の拡大」,「看護師以外の医療スタッフ等の役割の拡大」,「医療スタッフ間の連携の推進」について報告書がまとめられました。それによると,看護師には「チーム医療のキーパーソンとしての役割への期待,自律的に判断できる機会の拡大や実施しうる行為の範囲の拡大(定められた特定医行為)とそれが最大限に発揮できる環境の整備の必要性」も明記されています。さらに,薬剤師,臨床工学技士などの役割の拡大についても明記されました。
手術治療におけるチーム医療は,外科医,麻酔科医,手術室看護師など直接治療に関わるメンバーの協働だけを指すものではありません。感染予防対策が完備された清浄度の高い手術環境の維持,手術に必要な器械や器材の供給や,それらの術中の適正な管理,手術に使用する麻酔薬などの薬剤管理,日々の手術をコントロールするマネジメントや手術に関するデータの蓄積をはじめとする情報管理などの統合が前提にあり,それぞれに携わる医療者の協働が根底にあって初めて手術治療が患者さんに提供されることになります。
手術治療が日々高度化し,それを受ける患者さんも高齢者が多いなかで,手術室看護師には多職種とともに安全で質の高い手術医療を提供するためのチーム間を調整・推進するキーパーソンとして大きな期待が寄せられています。平成17年に手術看護認定看護師が誕生し,約470名(平成28年9月現在)が「手術侵襲を最小限にし,二次的合併症を予防するための安全管理(体温・体位管理,手術機材・機器の適切な管理など),周手術期(術前・中・後)における継続看護の実践」を役割とした活動をしています。また近年,麻酔科医の監督・指示のもとで周術期・周麻酔期に高度実践看護を提供する周麻酔期看護師が誕生し,活躍しています。
このように手術治療には多職種が幅広く1つのチームを形成し,活動しています。今回の特集では,チーム医療に焦点をあてて,チームの調整役として期待されている手術室看護師の実践,麻酔科医,外科医,薬剤師,臨床工学技士などの,実際に手術に携わる職種の役割や活動,チーム医療への考え,手術に関するマネジメントや情報管理の現状,また,周麻酔期看護師という新しい役割についても紹介します。これらをチームの調整・推進役として活躍する手術室看護師に活用していただけると幸いです。
深澤佳代子
(信州大学医学部 保健学科 看護学専攻 成人・老年看護学領域 成人看護学 教授)
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1. 手術室看護師の役割と実践
1-1 術中看護・スタッフ教育・病棟や院外施設との連携/塩沢世志子
1-2 手術看護学実習導入の経緯と実習における学生の学び/深澤佳代子,寺内英真,丹下めぐみ, 北條由美乃,渡邉千春
2. 麻酔科医・看護師の協働
2-1 術前外来/杉山由紀,関 里美
2-2 術中麻酔管理/井出 進
2-3 術後回診/吉山勇樹,千葉夏希
3. 各診療科との連携
3-1 外科医からみた手術におけるチーム医療/池上俊彦
3-2 診療科担当看護師の役割/塩澤明美
4. 手術部の医療安全管理とチーム医療
4-1 手術室における薬剤師による薬品管理業務/竹澤 崇,大森 栄
4-2 手術治療におけるリスク管理とリスクコミュニケーション〜医療機器を例にして考える〜/住谷昌彦, 水枝谷一仁
5. 手術部のマネジメントとチーム医療
5-1 麻酔科責任者と手術調整/市野 隆
5-2 手術部内看護マネジメント〜外科医との協働に焦点を当てて〜/近藤ゆかり
5-3 手術部における情報管理(トレーサビリティ)と手術看護/古畑貞彦
5-4 手術部における物品管理(SPD)・感染管理(IC)と手術看護/林 知子
6. 手術看護の役割の拡大
6-1 周麻酔期看護師の誕生と役割への期待/田中 聡
6-2 看護系大学院で周麻酔期看護師を育成する意義/深澤佳代子,寺内英真
6-3 周麻酔期看護師の活動の実際/吉田 奏
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