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美容皮膚医学BEAUTY 第15号(Vol.3 No.2, 2020) |
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2020年1月発売
A4変型判/112頁
定価4,400円(本体4,000円+税10%) ISBNコード:978-4-287-91015-3
全ページカラー印刷
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特集●統合医療における美容医療 〜サプリ・漢方・化粧品・ プラセンタ・美容鍼・ドラッグデリバリー〜
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企画編集/尾見徳弥
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美容皮膚科領域の治療は,1990年代に新たなレーザー治療の開発によって大きな効果を上げられることで大きな発展を示した.現在ではレーザーのみならずIPLと総称されるブロードバンドの波長の装置や高周波(RF),超音波などを用いた装置の開発で美顔や痩身に対して大きな効果を上げるに至っており,厚生労働省による医療機器としての美容を目的とした機種の認可もすすんでいる.また,シワ治療に用いるボツリヌス菌毒素や注入療法に用いられるヒアルロン酸なども医薬品として認可されてきている.
一方で,ここ数年,「アンチエイジング」や「美白」を目指すスキンケア化粧品のヒットが相次ぎ,エイジングケアや美白効果を特徴とする機能性化粧品市場が伸びている.こうした市場環境を背景に,大手化粧品メーカーに加え,異業種からのアンチエイジング市場への参入も目立ち,いわゆる「機能性化粧品」という表現がマスコミなどでも取り上げられるようになり消費者にも一般的になってきた.しかしいわゆる,化粧品といわれるものは,薬事法では「化粧品」と「医薬部外品」が規定されており,「機能性化粧品」という分類はない.
「化粧品」は肌の保湿や,清浄など,製品全体としてその効果が期待され,「医薬部外品」は「薬用化粧品」とも通称されるが,化粧品としての期待効果に加えて,肌あれ・ニキビを防ぐ,美白,デオドラントなどの効果を持つといった「有効成分」が配合され,化粧品と医薬品の間に位置づけられている.いわば「医薬品」と比べてその作用が穏やかなものである.
この点からみると機能性化粧品は,医薬部外品に分類されるように思われるが,法律的にはあいまいである.たとえば美白成分が含まれている場合,医薬部外品ならば,メラニンの生成を抑え,シミ・そばかすを防ぐといった表現をすることが認められている.しかし,化粧品では美白表現である「美白効果」「ホワイトニング効果」を表現することはできず,メーキャップ効果により肌を白くみせる旨の表現のみで,具体的には「塗ればお肌がほんのり白く見える美白ファンデーションです」や「シミ,ソバカスをきれいに隠し,お肌を白くみせてくれます」といった表現しかできない.ところが,ハイドロキノンといった美白効果のある成分を含んだ製品が「化粧品」として大手化粧品会社からも販売されている.
海外でも個々の国によって法律は異なるが,この機能性化粧品はCosmoceuticalsとして認知され,米国ではFood, Drug and Cosmetic(FDC)Actによって規定され,またEUでもデータの提出を求められ,やや医薬品としての効果に近いものとなっている.
今回は,これら機能性化粧品について実際に開発に携わっている方々を主に執筆者として成分,エビデンス,有効性,安全性に関する原稿を依頼した.
また,併せて,近年,サプリメントに対する需要も高まっており,ビタミン剤含有にとどまらず,さまざまなエキス成分の配合もなされ,従来の美顔効果や痩身効果だけでなく,いわゆる「痩せるチョコレート」「飲む日焼け止め」といった商品も開発され大きな市場を形成している.さらに漢方薬,プラセンタ,美容鍼,ドラッグデリバリーを用いた治療についてもその道で経験の深い第一人者に執筆を依頼した.
これにより,大規模臨床試験やプラセボ対象試験があまり実施されておらず,医学的なエビデンスがあまり高いとされない施術や治療に対する理解と実践の一助になれば幸いである.
尾見徳弥
(クイーンズスクエアメディカルセンター 皮膚科 部長,日本医科大学 皮膚科 客員教授)
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1.サプリメントの法的位置づけと現状/尾見徳弥
2.美容関連の健康食品やサプリメント/黒野昌洋
3.経口摂取型日焼け止めの効果と注意点/久米利明,髙鳥悠記
4.漢方を用いた美容医療/福田枝里子,馬場正樹,矢久保修嗣
5.バスケットウィーブ角層の発達に着目した化粧品/多田明弘
6.化粧品開発における皮膚計測法について/樋口美雪
7.化粧品開発における安全性/伊藤正俊
8.化粧品の乾燥によるシワを目立たなくする効果,部外品のシワ改善/濵田和人
9.化粧品,医薬部外品による美白/船坂陽子
10.頭皮の測定,育毛剤/濵田和人
11.プラセンタ療法による美容医療/渡邊千春
12.美容鍼総論〜市場・種類・作用機序・安全性・美容医療との併用〜
/岡本真理,折橋梢恵,光永裕之,川畑充弘
13.シリンダーチップおよびフラクショナルマイクロニードルRFを使用したPLLA(ポリ-L-乳酸)
ドラッグデリバリーによる萎縮性瘢痕治療の臨床経験/Dr. Seok Bae Seo
連載
弁護医師®の法律ケミカルピーリング/田邉 昇
第15回 医師法17条〜その施術,先生がしなくて大丈夫?〜
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