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美容皮膚医学BEAUTY 第30号(Vol.4 No.5, 2021) SOLD OUT |
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A4変型判/80頁
定価4,400円(本体4,000円+税10%) ISBNコード:978-4-287-91030-6
全ページカラー印刷
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企画編集/船坂陽子
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画像をクリックするとサンプルをご覧いただけます |
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肝斑は顔面の色素斑で,メラニン含有細胞を破壊するような高いフルエンスでのQスイッチルビーレーザーやQスイッチアレキサンドライトレーザー治療が奏功せず,また根治させることが困難な疾患です.紫外線や女性ホルモンの関与は以前より指摘されてきましたが,近年,慢性の紫外線曝露で生じる光老化のために変化した表皮,真皮の構成細胞がメラニン生成刺激に関わっていることが明らかにされています.すなわち韓国の研究グループの病変皮膚を用いた解析により,病態の解明が進んできています.光老化によるため,角層のバリア機能が破綻しやすいこと,表皮基底膜がダメージを受けていること,そのためにメラノサイトの細胞死が生じやすいこと,そして真皮に血管増生,マスト細胞の浸潤などによる炎症が生じていること,これらが複合して肝斑の病態形成に関わっているために,1つずつ対処することにより,肝斑の病態改善につながることが期待されています.
それでも,まだまだわからないことが多く,治療に難渋するのが肝斑です.QOL(quality of life)を高めるための美容治療を求める人が増えてきており,我々の使命としては,肝斑であると正しく診断し,その病態について説明できることが挙げられます.また肝斑以外に老人性色素斑などを合併していることも多く,それぞれについて診断をくだし治療をしていく必要があります.
現在,美容皮膚科領域でシミに対してしばしば行われている治療にはトラネキサム酸やビタミンCなどの内服療法,美白剤(化粧品や医薬部外品)の外用療法,遮光剤の工夫,ケミカルピーリング,レーザー治療が挙げられます.適切な治療を提供するためには,これら治療法の作用機序と特性,利点と注意点などを熟知したうえで,治療に当たる必要があります.
本特集では肝斑の病態について新しくわかってきた事柄を解説するとともに,治療が難しい肝斑に対して各エキスパートの先生に,肝斑に対しての内服療法のエビデンス,美白剤やケミカルピーリングのエビデンス,そして現在先生方が行っている治療方針についてわかりやすくご執筆いただきました.日々の診療において,本稿が少しでも皆様の役に立つことを願っております.
船坂陽子(日本医科大学 皮膚科 教授)
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1.肝斑の病態−up date−/船坂陽子
2.肝斑に対する内服治療のエビデンスを踏まえて/木村有太子
3.肝斑に対する美白剤・ケミカルピーリングのエビデンスを踏まえて/長濱通子
4.肝斑に対するレーザー治療のエビデンスを踏まえて/船坂陽子
5.肝斑に対する私の治療方針1/小林美和
6.肝斑に対する私の治療方針2/秋田浩孝
7.肝斑に対する私の治療方針3/宮田成章
8.肝斑に対する私の治療方針4/葛西健一郎
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