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美容皮膚医学BEAUTY 第18号(Vol.3 No.5, 2020) SOLD OUT |
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2020年4月発売
A4変型判/112頁
定価4,400円(本体4,000円+税10%) ISBNコード:978-4-287-91018-4
全ページカラー印刷
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企画編集/関東裕美
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画像をクリックするとサンプルをご覧いただけます |
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爪の役割は普段あまり気がつかないものですが,最大の役割は手足作業時の補助として働くことでしょう.爪があるから力が入り,バランスを保ち立つことができる,物をつかむことができ,力を入れていろいろな作業ができるのです.爪は健康の指標でもあり,体の栄養状態,血流状態で爪の色や伸び方,形状が変化してきます.
爪は,表皮が特殊に分化して作られたもので,髪の毛と同じ「ケラチン」と呼ばれる硬タンパク質から成り,炭素,酸素,窒素,水素,脂質,ミネラルなどさまざまな成分によって構成されています.爪は一般的な成人の場合,1日に0.1mm,1か月で3mmほど伸びるといわれています.爪の伸び方は季節や年齢によっても変化し,若ければ若いほど,夏に近いほど早く伸びるようです.内因性指標のみでなく,心因性反応が爪にみられることもあります.顔のみでなく手指爪は案外他人から見られているものであり,生活状況を反映するものでもあります.専門医の爪観察により皮膚疾患との関連や薬剤,化学物質との関与が見いだされることがあります.あるいはコントロール不良の糖尿病足では爪の感染をきっかけに足を失うこともあり,爪の色素病変からがんが見つかることもあるのです.
近年ネイル美容はサロンで施術してもらうのみでなく,専用製品が市販されており幅広い年齢層で流行しています.付け爪の多くはアクリル樹脂製のネイルチップで,チップを付けるために自爪を長く伸ばしていると,自爪とジェルの間にできた隙間に水分が溜まり容易に感染を引き起こしてしまいます.人間が立位作業をするのに必要不可欠な爪が陥入して炎症を起こすと患者の生活の質が落ちてしまいますので適切な対処が望まれます.積極的がん治療で生命予後はよくなってきましたが,がん治療に伴う手足爪病変は患者に苦痛を与えます.ネイル美容による感染やアレルギーリスクに注意をしてネイルケアを行えば,難治性爪疾患の整容面や機能面改善にケアが役立つこともあります.日常診療でネイルケア指導に本書を有効活用していただけましたら幸いです.
関東裕美
(東邦大学医療センター大森病院 スキンヘルスセンター 臨床教授)
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1.乾癬患者の爪病変とそのケア/橋本由起
2.歯科矯正器具の除去で軽快した小児爪扁平苔癬/岸部麻里,山本明美
3.爪の色素病変〜爪甲下血腫,メラノーマの鑑別について〜/岩澤うつぎ
4.爪の臨床からわかる健康状態/福田知雄
5.爪白癬とその治療〜ネイルによる障害と関与について〜/野村有子
6.グリーンネイルについて/小林寅喆
7.爪かみに対する心身治療/橋爪 誠
8.シアノアクリレート樹脂による接触皮膚炎/峠岡理沙
9.抗がん剤による爪障害へのネイルケア/原木久美
10.がん治療による爪囲炎・爪障害のケア/丸田章子
11.巻き爪・陥入爪とその治療/菊池 守
12.爪外傷とその治療/山本直人
13.糖尿病患者のフットケア,爪病変/岩渕千雅子
14.靴の選び方/吉本錠司
15.美容従事者が行うネイル技術とその実際/萩原直見
連載
弁護医師®の法律ケミカルピーリング/田邉 昇
第18回 Fire! 火事になるのはどっち?〜労働問題・雇用関係編〜
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