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美容皮膚医学BEAUTY 第24号(Vol.3 No.11, 2020)

2020年10月発売
A4変型判/88頁
定価4,400円(本体4,000円+税10%)
ISBNコード:978-4-287-91024-5

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特集●光老化の最新知識

企画編集/錦織千佳子
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 高齢化社会を迎え,「人生100 年」があたりまえになりつつある.長生きするからには健康に長寿を全うしたいというのが万人の願いであろう.定年後も,就労中には果たせなかった趣味の集いや旅行,ライフワーク,ボランティア活動などの社会活動をするには,心身ともに健康であることが必須である.そして,「人間は外見ではなく中身」とはいうものの,「心の張り」は生き生きとした表情に結びつくし,「美しさを追究する」気持ちは若やいだ気持ちを維持するのに重要な要素であろう.
 加齢に加えて慢性の紫外線曝露によって引き起こされる症状は“光老化”と総称され,いわゆる老徴と考えられている日光黒子などのシミ,シワ,毛細血管拡張,露光部の皮膚がんなどが含まれる.光老化の症状のうち,皮膚がん以外の症状については「人生の最終章を楽しく美しく活動的に生きたい」と願う人々が美容皮膚科治療を求めて,大変大きなニーズがある.
 一方で,光老化の治療に際しては,最重要事項として,まず“皮膚がんの見逃し”は許されないことを肝に銘じるべきである.光老化の症状のなかには皮膚がんも含まれており,それは,とりもなおさず,同じ人の同じ病変部位に,手術治療が必要な“皮膚がん”と美容医療の対象となる“シミ,シワ”が混在していることを意味する.したがって,皮膚科医としてプロ意識を持って病変の診断を確実に行ったうえで,美容医療を提供することが肝要である.
 現在美容皮膚科領域でしばしば行われている治療にはケミカルピーリング,美白用の化粧品や医薬部外品,医薬品内服・外用療法をはじめ,レーザーを含む光線治療,高周波,超音波,温熱刺激などの物理的な治療,ボツリヌス毒素注射,ヒアルロン酸注入,多血小板血漿や自家脂肪組織注入といった再生医療など,さまざまな治療法がある.適切な美容医療を提供するためには光老化の病態を正しく理解し,それぞれの治療法の作用機序と特性,利点と注意点などを熟知したうえで,治療にあたる必要がある.
 本特集では各分野のエキスパートの先生に光老化の病態,発症機序と理論から考えた光老化の治療法とその実際をわかりやすくご執筆いただいた.
錦織千佳子
(神戸大学大学院 医学研究科 内科系講座 皮膚科学分野 教授)




1.老化と光老化/山田秀和
2.光老化の臨床と病理/国定 充
3.日光弾性線維症の発症メカニズム/井上紳太郎
4.シミの鑑別と診断別治療の実際−理論と実践−/船坂陽子
5.レーザーなどの光による光老化の治療/川田 暁,山本晴代,三宅早苗
6.ケミカルピーリングの実際/菊地克子
7.アンチエイジングの現状−脂肪組織の応用:理論と実践−/吉村浩太郎
8.ボツリヌス毒素治療/葛西健一郎
9.老化対策外用薬や化粧品による皮膚の有害事象/関東裕美
10.眼の光老化/山根 縁,谷戸正樹

連載
  弁護医師®の法律ケミカルピーリング/田邉 昇
  第24回 医師法21条 異状死体の届出義務について